「糖尿病」を疑われた後はどんなことに気を付けたらいいの?【医師監修】

糖尿病は、血糖値が慢性的に高くなる病気で、進行するとさまざまな合併症を引き起こします。しかし、初期には自覚症状に乏しいことが多く、健康診断や血液検査で初めて異常に気付くことも少なくありません。検査結果には、血糖値やHbA1cといった数値が記載されていますが、それぞれが何を意味し、どのくらいの数値で注意が必要なのか、すぐにはわかりにくいかもしれません。
この記事では、診断基準とその後の流れまでわかりやすく解説します。ご自身の検査結果を正しく理解し、早めの対策に役立てていただければと思います。
※この記事はメディカルドックにて『「糖尿病」になると「何の数値」が悪くなるかご存知ですか?【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
林 良典(医師)
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医、禁煙サポーター
【診療科目】
総合診療科、老年科、感染症、緩和医療、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、眼科、循環器内科、脳神経内科、精神科、膠原病内科
糖尿病の診断基準とその後の流れ

糖尿病の診断基準を教えてください
糖尿病型の基準は以下のいずれかです。
- 空腹時血糖値:126mg/dL以上
- 随時血糖値:200mg/dL以上
- 75gOGTT2時間値:200mg/dL以上
- HbA1c:6.5%以上
この糖尿病型が確認されたうえで、以下のいずれかの条件を満たすと糖尿病と診断されます。
1.別の日に糖尿病型を2回確認する
異なる日に実施した検査で糖尿病型の数値が2回以上確認された場合、糖尿病と診断されます。このうち少なくとも1回は、空腹時血糖・随時血糖・OGTTなどの血糖値であることが必要です。HbA1cだけを繰り返しても診断はできません。
また、同じ日の検査で血糖値とHbA1cの両方が糖尿病型であれば、1回の検査でも診断が可能です。
2.血糖値が糖尿病型で、かつ慢性的な高血糖症状がある場合
強い口渇、多飲、多尿、体重減少などの症状があり、血糖値が糖尿病型であれば、1回の検査で診断されます。
3.血糖値が糖尿病型で、かつ糖尿病網膜症がある場合
眼科で糖尿病特有の網膜症が確認されていれば、この場合も1回の検査で診断が可能です。
検査の数値が正常範囲内であれば安心してよいですか?
また、糖尿病の家族歴がある方、肥満、高血圧、脂質異常症などを指摘されている方は、現在の数値が正常でも油断はできません。生活習慣の影響を受けやすい体質であることが多いため、引き続き定期的な検査を受けることがすすめられます。
特に血糖値やHbA1cが正常の範囲内でも、年齢や生活習慣によっては今後数値が変化していく可能性があります。安心するためにも、年1回の健康診断や必要に応じた再検査を継続し、早めに変化に気付ける体制を整えておくことが大切です。
糖尿病や糖尿病疑いと判断された後の流れを教えてください
それでも血糖値のコントロールが難しい場合には、経口血糖降下薬(飲み薬)やインスリンなどの薬物療法が必要になることがあります。治療は数値や体調に応じて段階的に行われますので、医師と相談しながら無理のない範囲で続けていくことが大切です。
編集部まとめ

糖尿病は、血液検査や尿検査で見つかる数値の異常から早期に発見できる病気です。HbA1cや血糖値の数値を正しく理解し、必要な検査や診察を受けることが、合併症の予防や健康維持につながります。
検査結果で糖尿病型と指摘された場合には、ただちに診断がつくとは限りませんが、再検査や追加の評価が必要です。気になる数値があるときには、自己判断せず、かかりつけの医師に相談するようにしましょう。