目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 「糖尿病の初期症状が現れたときの検査法」はご存知ですか?【医師監修】

「糖尿病の初期症状が現れたときの検査法」はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/11/26

糖尿病は、血糖値が慢性的に高くなる病気で、日本では患者さんが年々増えています。初期には自覚しにくく、疲れや加齢と勘違いされやすいため、気付かないうちに進行することがあります。 早期に気付き、適切に対処すれば、進行や合併症を防ぐことができます。そのためには、初期症状や身体の小さな変化に注意し、生活習慣を見直すことが大切です。 この記事では、糖尿病の初期症状が現れたときの検査法についてわかりやすく解説します。ご自身や大切な方の健康管理にぜひお役立てください。

※この記事はMedical DOCにて『「糖尿病の初期症状」はご存知ですか?初期症状を放置するとどうなるかも解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

林 良典

監修医師
林 良典(医師)

プロフィールをもっと見る
名古屋市立大学卒業。東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、 NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。医学博士。公認心理師。日本専門医機構総合診療特任指導医、日本内科学会総合内科専門医、日本老年医学会老年科専門医、日本認知症学会認知症専門医・指導医、禁煙サポーター。
消化器内科
呼吸器内科
皮膚科
整形外科
眼科
循環器内科
脳神経内科
眼科(角膜外来)

糖尿病の初期症状で受診した際の検査と診断、治療法

糖尿病の初期症状で受診した際の検査と診断、治療法

糖尿病の初期症状で病院を受診したらどのような検査が行われますか?

受診時には、まず血液検査と尿検査を通じて、血糖値の状態や身体の代謝バランスについて調べられます。血液検査では、空腹時血糖値やHbA1c(ヘモグロビンA1c)が確認されます。HbA1cは、過去1〜2ヶ月間の平均的な血糖値を反映する指標であり、糖尿病の有無を判断するうえで重要な項目です。

加えて、食後の血糖値や、必要に応じてブドウ糖を服用してから血糖の変化をみる経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)が実施される場合もあります。尿検査では、尿糖の有無や、腎機能に関わるタンパク質の有無が確認されます。

糖尿病の診断基準を教えてください

診断基準には主に、①空腹時血糖値が126mg/dL以上②随時血糖値が200mg/dL以上③75g経口ブドウ糖負荷試験で2時間後の血糖値が200mg/dL以上④HbA1cが6.5%以上であることなどが含まれます。①~③のいずれか+④が確認された場合、糖尿病と診断されます。また、すでに症状が出ている場合や糖尿病網膜症の所見がある場合には、①~③のみでも診断となります。

初期の糖尿病ではどのような治療が行われますか?

初期段階の糖尿病では、生活習慣の見直しが治療の中心となります。まずは食事療法が重要で、糖質や脂質、カロリーのバランスを整えた食事を、1日3食規則正しく摂ることが勧められます。過食や間食を避け、血糖値の急上昇を防ぐ工夫が必要です。また、毎日の食事内容を記録することで、自分の傾向を把握しやすくなります。

次に運動療法ですが、無理のない範囲で継続的に身体を動かすことが血糖値の安定につながります。ウォーキングや軽い筋力トレーニングなどが取り入れやすく、体重管理にも役立ちます。特にインスリンの働きを助ける効果があるため、週に数回の運動を継続することが推奨されます。

こうした生活習慣の改善でも十分な効果が得られない場合や、検査値が高く合併症のリスクが高いと判断される場合には、薬物療法が検討されます。血糖値を下げる内服薬が選択され、必要に応じてインスリン治療が導入されることもあります。

編集部まとめ

編集部まとめ

糖尿病は、初期のうちは自覚しにくく、のどの渇きや頻尿、体重減少、だるさなどが出ても見過ごされやすい病気です。しかし、こうした身体の変化は糖尿病のサインであることもあり、放置すれば合併症につながるおそれがあります。

早期に気付き、生活習慣を見直すことで血糖値の改善が期待できる場合もあります。食事や運動の工夫、定期的な受診を通じて、病気の進行を防ぐことが大切です。

健康診断で血糖値の異常を指摘された方や、気になる症状がある方は、早めの受診を心がけましょう。小さな変化を見逃さず、日常の体調管理に役立てていただければと思います。

この記事の監修医師

注目記事