「糖尿病の初期症状」はご存知ですか?【医師監修】
公開日:2025/11/25

糖尿病は、血糖値が慢性的に高くなる病気で、日本では患者さんが年々増えています。初期には自覚しにくく、疲れや加齢と勘違いされやすいため、気付かないうちに進行することがあります。
早期に気付き、適切に対処すれば、進行や合併症を防ぐことができます。そのためには、初期症状や身体の小さな変化に注意し、生活習慣を見直すことが大切です。
この記事では、糖尿病の初期症状や前兆についてわかりやすく解説します。ご自身や大切な方の健康管理にぜひお役立てください。
※この記事はMedical DOCにて『「糖尿病の初期症状」はご存知ですか?初期症状を放置するとどうなるかも解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
林 良典(医師)
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名古屋市立大学卒業。東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、 NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。医学博士。公認心理師。日本専門医機構総合診療特任指導医、日本内科学会総合内科専門医、日本老年医学会老年科専門医、日本認知症学会認知症専門医・指導医、禁煙サポーター。
消化器内科
呼吸器内科
皮膚科
整形外科
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循環器内科
脳神経内科
眼科(角膜外来)
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糖尿病の前兆や初期症状について

糖尿病には前兆がありますか?
糖尿病の前兆は、生活のなかで少しおかしいと感じる程度の変化としてあらわれることが多いです。例えば、のどが渇いて水を飲んでもすぐにまた渇いた感じがする、トイレの回数が増えて夜中に何度も目が覚めてしまう、疲れやすくていつまでもだるさが抜けないといったことが挙げられます。これらはすべて、血糖値が高いことによって身体の水分バランスやエネルギー代謝が乱れているサインと考えられます。特に気温が高い時期などは、こうした症状を単なる脱水や夏バテと勘違いしてしまうこともあります。
糖尿病の初期症状を教えてください
初期の糖尿病では、のどの渇きや頻尿、倦怠感に加えて、体重の急激な減少や食欲の異常(過食または食欲不振)なども起こることがあります。また、視界がかすんだり、足先がピリピリするような感覚が出たりすることもあります。これは、血糖値が高い状態が続くことで神経や血管に負担がかかるためです。さらに、風邪を引きやすくなったり、ちょっとした傷の治りが遅くなったりなど、免疫力や治癒力の低下がみられることもあります。こうした症状は一つ一つでは深刻に感じないかもしれませんが、複数が同時に続くようであれば、糖尿病の可能性を疑う必要があります。
糖尿病の初期症状と間違えやすいほかの病気の症状はありますか?
糖尿病の初期症状は、ほかの病気と似ている部分があるため、見分けが難しいことがあります。例えば、更年期障害ではのぼせや発汗、疲労感が目立ちますが、糖尿病でも似たような症状が見られることがあります。また、甲状腺機能亢進症でも体重が減ったり動悸や倦怠感を伴ったりすることがあり、症状だけでは判別がつきにくいことがあります。さらに、夏場の脱水症やストレスによる自律神経の乱れでも頻尿や口渇が出ることがあるため、体調不良が続く場合には、自己判断せず医療機関で血液検査を受けることが大切です。
編集部まとめ

糖尿病は、初期のうちは自覚しにくく、のどの渇きや頻尿、体重減少、だるさなどが出ても見過ごされやすい病気です。しかし、こうした身体の変化は糖尿病のサインであることもあり、放置すれば合併症につながるおそれがあります。
早期に気付き、生活習慣を見直すことで血糖値の改善が期待できる場合もあります。食事や運動の工夫、定期的な受診を通じて、病気の進行を防ぐことが大切です。
健康診断で血糖値の異常を指摘された方や、気になる症状がある方は、早めの受診を心がけましょう。小さな変化を見逃さず、日常の体調管理に役立てていただければと思います。