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「高血圧の方」が「コーヒー」を飲む際に気を付けた方がいいこととは?【医師監修】

 公開日:2025/12/20

コーヒーを習慣的に飲む人は高血圧になる、こういった話を聞いたことがある方もいると思います。コーヒーと血圧の関係は今も研究が続いており、これまでの研究結果もさまざまです。この記事では、現在考えられている高血圧症の患者さんがコーヒーと上手に付き合う方法を詳しく解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「コーヒーは高血圧」のリスクを減らせる?高血圧の方が飲んではいけない飲み方も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

上田 莉子

監修医師
上田 莉子(医師)

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関西医科大学卒業。滋賀医科大学医学部付属病院研修医修了。滋賀医科大学医学部付属病院糖尿病内分泌内科専修医、 京都岡本記念病院糖尿病内分泌内科医員、関西医科大学付属病院糖尿病科病院助教などを経て現職。日本糖尿病学会専門医、 日本内分泌学会内分泌代謝科専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本医師会認定産業医、日本専門医機構認定内分泌代謝・糖尿病内科領域 専門研修指導医、内科臨床研修指導医

高血圧症の患者さんがコーヒーと上手に付き合う方法

高血圧症の患者さんがコーヒーと上手に付き合う方法

高血圧症の場合、コーヒーを飲むときに気を付けることはありますか?

高血圧症の方がコーヒーを飲む際は、いくつかの点に注意が必要です。まずは、自分の身体の反応を観察することです。コーヒーを飲んだ後に動悸がする頭痛がする、血圧が一時的に上昇するなどの症状がある場合は、摂取量を減らすか、カフェインレスコーヒーへの切り替えを検討しましょう。カフェインを常習的に摂取している人は耐性ができ、これらの症状を感じにくくなっている傾向にあります。
また、カフェインの摂取後に一時的な血圧上昇が起こるため、エスプレッソなどカフェイン濃度の高いものより、ドリップコーヒーの方が血圧への影響は穏やかになりますので、飲むコーヒーの種類を意識することも重要です。

おすすめできないコーヒーの飲み方を教えてください

まず、多量のコーヒー摂取は控えるべきです。上述したとおり、これまでの研究において、適量と判断されるコーヒーの量は1日2〜4杯程度と考えられますので、1日5杯以上のコーヒーは、たとえ健康な人でも身体に悪影響を与える可能性があります。適量を守ることが大切です。
また、コーヒーを飲む際に砂糖ミルクを入れる方は、ついつい糖分や脂肪分を過剰に摂取している可能性があります。これらは、肥満糖尿病のリスクになりますので、注意すべきです。

高血圧症の患者さんは1日何杯までコーヒーを飲んでよいですか?

高血圧症の患者さんの適切なコーヒー摂取量は、個人の状態により異なりますが、一般的には1日4杯程度までが目安とされています。これは、カフェイン摂取量にすると200〜300mg程度に相当します(コーヒー1杯あたり約80〜100mgのカフェイン含有)。
また、コーヒーはいくつかの薬との相互作用に注意が必要です。代表的なものは、キサンチン系薬剤・MAO阻害薬・シメチジンなどがあげられます。そのほかにも相互作用に注意が必要な薬剤がありますので、一度主治医に相談してみるといいでしょう。

コーヒーを飲まない方がよいケースを教えてください

以下のような状況では、コーヒーの摂取が身体によくないケースがあります。

  • 胃腸が弱い
  • 逆流性食道炎がある
  • 頭痛持ち(頭痛の種類による)
  • 貧血
  • 妊娠、授乳中

上記の理由をそれぞれ説明します。
コーヒーに含まれるクロロゲン酸は胃酸分泌を促進するため、胃腸が弱い場合、胃痛を誘発する可能性があります。似た理由で、逆流性食道炎が悪化する可能性があります。
頭痛に関しては、カフェインによる血管収縮の作用が片頭痛を一時的に改善する効果も報告されていますが、過量な摂取やカフェインの作用の反動で頭痛が悪化するケースもあります。貧血に関しては、コーヒーに含まれるカフェインタンニンが鉄の吸収を阻害するため、貧血が悪化する可能性があります。妊娠・授乳中の場合は、カフェインや代謝物質が母乳や胎盤を通過し子どもへと移行します。過量な摂取は、血管収縮作用による悪影響や胎児においては、代謝能が成人より低いため、体内にカフェインが残存しやすくなりますので、注意が必要です。

編集部まとめ

編集部まとめ

コーヒーと血圧の関係は、長年研究されているテーマです。コーヒーが高血圧によいか悪いかは、一概にはいえません。適量のコーヒーの摂取は精神的なリラックス効果や、血管へのよい影響があるといわれてます。一方で、過量な摂取は身体へのリスクとなります。嗜好品の一つであり、自分にとって適切なコーヒーとの付き合い方を見つけていくといいでしょう。

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