「高血圧の方」が「コーヒー」を飲む際に気を付けた方がいいこととは?【医師監修】

コーヒーを習慣的に飲む人は高血圧になる、こういった話を聞いたことがある方もいると思います。コーヒーと血圧の関係は今も研究が続いており、これまでの研究結果もさまざまです。この記事では、現在考えられている高血圧症の患者さんがコーヒーと上手に付き合う方法を詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「コーヒーは高血圧」のリスクを減らせる?高血圧の方が飲んではいけない飲み方も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
上田 莉子(医師)
目次 -INDEX-
高血圧症の患者さんがコーヒーと上手に付き合う方法

高血圧症の場合、コーヒーを飲むときに気を付けることはありますか?
また、カフェインの摂取後に一時的な血圧上昇が起こるため、エスプレッソなどカフェイン濃度の高いものより、ドリップコーヒーの方が血圧への影響は穏やかになりますので、飲むコーヒーの種類を意識することも重要です。
おすすめできないコーヒーの飲み方を教えてください
また、コーヒーを飲む際に砂糖やミルクを入れる方は、ついつい糖分や脂肪分を過剰に摂取している可能性があります。これらは、肥満や糖尿病のリスクになりますので、注意すべきです。
高血圧症の患者さんは1日何杯までコーヒーを飲んでよいですか?
また、コーヒーはいくつかの薬との相互作用に注意が必要です。代表的なものは、キサンチン系薬剤・MAO阻害薬・シメチジンなどがあげられます。そのほかにも相互作用に注意が必要な薬剤がありますので、一度主治医に相談してみるといいでしょう。
コーヒーを飲まない方がよいケースを教えてください
- 胃腸が弱い
- 逆流性食道炎がある
- 頭痛持ち(頭痛の種類による)
- 貧血
- 妊娠、授乳中
上記の理由をそれぞれ説明します。
コーヒーに含まれるクロロゲン酸は胃酸分泌を促進するため、胃腸が弱い場合、胃痛を誘発する可能性があります。似た理由で、逆流性食道炎が悪化する可能性があります。
頭痛に関しては、カフェインによる血管収縮の作用が片頭痛を一時的に改善する効果も報告されていますが、過量な摂取やカフェインの作用の反動で頭痛が悪化するケースもあります。貧血に関しては、コーヒーに含まれるカフェインやタンニンが鉄の吸収を阻害するため、貧血が悪化する可能性があります。妊娠・授乳中の場合は、カフェインや代謝物質が母乳や胎盤を通過し子どもへと移行します。過量な摂取は、血管収縮作用による悪影響や胎児においては、代謝能が成人より低いため、体内にカフェインが残存しやすくなりますので、注意が必要です。
編集部まとめ

コーヒーと血圧の関係は、長年研究されているテーマです。コーヒーが高血圧によいか悪いかは、一概にはいえません。適量のコーヒーの摂取は精神的なリラックス効果や、血管へのよい影響があるといわれてます。一方で、過量な摂取は身体へのリスクとなります。嗜好品の一つであり、自分にとって適切なコーヒーとの付き合い方を見つけていくといいでしょう。