「コーヒーは高血圧」のリスクを減らせるの?【医師監修】
公開日:2025/12/19

コーヒーを習慣的に飲む人は高血圧になる、こういった話を聞いたことがある方もいると思います。コーヒーと血圧の関係は今も研究が続いており、これまでの研究結果もさまざまです。この記事では、現在考えられているコーヒーと高血圧症のリスクを詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「コーヒーは高血圧」のリスクを減らせる?高血圧の方が飲んではいけない飲み方も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
上田 莉子(医師)
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関西医科大学卒業。滋賀医科大学医学部付属病院研修医修了。滋賀医科大学医学部付属病院糖尿病内分泌内科専修医、 京都岡本記念病院糖尿病内分泌内科医員、関西医科大学付属病院糖尿病科病院助教などを経て現職。日本糖尿病学会専門医、 日本内分泌学会内分泌代謝科専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本医師会認定産業医、日本専門医機構認定内分泌代謝・糖尿病内科領域 専門研修指導医、内科臨床研修指導医
コーヒーと高血圧症のリスク

コーヒーを飲むと高血圧症のリスクを減らせますか?
上述したとおり、コーヒーと血圧の関係は現在も研究されており、さまざまな研究結果が報告されています。過去の研究のなかには、1日4杯以上のコーヒーを飲む方では、高血圧のリスクが約10%低下したという報告もあります。そのほかにも、大規模な疫学研究で、1日3〜4杯程度の適量のコーヒー摂取は、高血圧のリスクを増加させないか、わずかに減少させる可能性があることが示されています。現在のところは、適量(1日2〜4杯)のコーヒーの摂取は身体によいという考えの方が優勢のようです。
コーヒーが血圧にもたらすよい影響を教えてください
コーヒーで注目されている成分がクロロゲン酸をはじめとするポリフェノール類です。これらの成分は強力な抗酸化作用を持ち、血管の老化を防ぎ、血管内皮機能を改善します。また、コーヒーに含まれるカリウムには血圧を下げる作用があります。カリウムは体内のナトリウムの排出を促進し、血圧を下げます。ただし、カリウムは腎機能が低下している方では、体内の血中濃度が上昇し、不整脈などのリスクになるため注意が必要です。
また、多くのコーヒーを習慣的に飲む方が実感していることだと思われますが、コーヒーブレイクがもたらすリラックス効果も見逃せません。ストレスは血圧上昇の大きな要因ですが、コーヒーを飲む時間を意識的にリラックスタイムとすることで、ストレス軽減効果も期待できます。
また、多くのコーヒーを習慣的に飲む方が実感していることだと思われますが、コーヒーブレイクがもたらすリラックス効果も見逃せません。ストレスは血圧上昇の大きな要因ですが、コーヒーを飲む時間を意識的にリラックスタイムとすることで、ストレス軽減効果も期待できます。
編集部まとめ

コーヒーと血圧の関係は、長年研究されているテーマです。コーヒーが高血圧によいか悪いかは、一概にはいえません。適量のコーヒーの摂取は精神的なリラックス効果や、血管へのよい影響があるといわれてます。一方で、過量な摂取は身体へのリスクとなります。嗜好品の一つであり、自分にとって適切なコーヒーとの付き合い方を見つけていくといいでしょう。