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「糖尿病の合併症」にはどんな症状や疾患にかかりやすくなる?【医師監修】

 公開日:2026/04/06
糖尿病合併症の症状

みなさんはどのような症状が出たら糖尿病を疑いますか。また、すでに糖尿病と診断されている場合、どのような症状が出たら病院を受診すべきでしょうか。今回は、糖尿病合併症の症状を解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「糖尿病の初期症状」はご存知ですか?進行すると現れる症状も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

上田 莉子

監修医師
上田 莉子(医師)

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関西医科大学卒業。滋賀医科大学医学部付属病院研修医修了。滋賀医科大学医学部付属病院糖尿病内分泌内科専修医、 京都岡本記念病院糖尿病内分泌内科医員、関西医科大学付属病院糖尿病科病院助教などを経て現職。日本糖尿病学会専門医、 日本内分泌学会内分泌代謝科専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本医師会認定産業医、日本専門医機構認定内分泌代謝・糖尿病内科領域 専門研修指導医、内科臨床研修指導医

糖尿病合併症の症状

糖尿病合併症の症状

糖尿病合併症について教えてください

糖尿病の合併症には、細小血管障害と、大血管障害そのほかが存在します。
細小血管障害には、神経障害網膜症腎症が存在します。直接命を失う合併症ではありませんが、失明や足切断、透析などにより著しく生活の質を落としてしまう可能性があります。こちらについては後述します。

大血管障害では、脳や心臓を栄養するやや太めの血管にも障害がおき、脳梗塞脳出血狭心症心筋梗塞が起こりやすくなります。
最近は、血糖値を下げるだけでなく、心筋梗塞や脳卒中の発症リスクを下げてくれるという副次的効果のある糖尿病薬が発売されています。気になる方は、主治医に確認してみるとよいでしょう。

そのほかには、うつ病にかかりやすくなる、感染症が重篤化しやすい、認知症リスクが上昇する、大腸がん膵がんなどの発症リスクが健常人の2倍程度に上昇することが知られています。
もしもうつ病に罹患した場合、自分でなんとかしようとはせず、できるだけ適切に医療に頼ることが必要です。認知症リスクはアルツハイマー型認知症、脳血管型認知症のどちらの罹患率も上がることで知られています。認知症を遠ざけるためには、よく運動し、こまめに歩くことが必要でしょう。糖尿病に限らずのデータですが、80代の方でも、日常的に運動量が多い方は、少ない方よりアルツハイマー型認知症にかかりにくいという報告もあります。がんについては、普段の病院受診でできていないときは健康診断のがん健診などを利用し、定期的にがんの発症がないかを検査しましょう。

糖尿病網膜症の症状を教えてください

日本人が失明する原因の第3位が糖尿病網膜症だとわかっています。
しかし、糖尿病網膜症は、ある程度進行するか、網膜の中の黄斑という部分に病変がかぶらない限り、目立った症状が出ません。進行したり、黄斑に症状が出たりすると、網膜の障害部位により視力低下したり、視野欠損が起こったりしてくる場合があります。
視力低下や視野欠損が一度起こると、以前までの視力や視界を得ることが難しくなる場合があります。
糖尿病網膜症の進行度をみて、進行を抑制するためには、定期的に眼科に通院するのが大切です。

糖尿病腎症にかかるとどのような症状が現れますか?

腎機能が中等度まで下がっても、糖尿病腎症の症状は乏しいことが多いです。腎機能が残り30%程度になってはじめて、疲れやすさ手足の浮腫みがでてきます。
腎機能低下がさらに進むと、透析療法が必要になり、血液透析であれば1週間に3日程度、1日平均4時間の拘束で全身の血液を入れ替える治療が必要になります。
腎機能は一度下がったら基本的にはもうもとには戻りません。糖尿病と診断されたら、腎機能が低下していないか、病院に通院して採血で随時みてもらいましょう。

糖尿病神経障害の症状を教えてください

糖尿病により、足の先の末梢神経が障害されると、足の裏に紙一枚挟んだような感覚の鈍さを感じるようになったり、逆に針山の上を歩いているようにぴりぴりと痛んだりするようになります。
足の感覚がなくなると、足の怪我に気が付きにくくなります。また、高血糖が持続すると一度負った怪我が治癒しにくくなります。怪我の炎症が骨まで達すると、骨髄炎となり、さらに進行すると足切断が必要になる場合も出てきます。
糖尿病の方が怪我をした場合、また、糖尿病の診断が出ていなくても怪我が治りにくい場合は、すぐに病院にかかるようにしましょう。

なお、足切断をした方は、心臓の血管も同時に痛んでいるので、心血管疾患にかかりやすいという報告もあります。足がなくなって歩くことが困難になるだけでなく、狭心症や心筋梗塞の危険性も上昇するのが糖尿病足病変の怖いところです。

編集部まとめ

編集部まとめ

 糖尿病と診断されても、長い間目立った症状がありません。糖尿病は困らないことに困る病気とよく説明します。困ったことが起こったときには、もう取り返しのつかないところまで進んでしまっていることが多いためです。困っていないときにもしっかり治療をすることが肝心です。

まだ糖尿病ではないけれど、血のつながった家族に2型糖尿病の方が多いなどの場合、遺伝素因と環境素因で2型糖尿病を発症する可能性は高いといえます。

2型糖尿病の家族歴がある方は、健康診断などでなるべく早く高血糖をとらえ、病院にかかることが大切です。

もしくは、口渇多飲多尿体重減少易疲労感などの高血糖症状があった場合は、高血糖が持続している可能性が高いので、期間をあけずに病院を受診するようにしましょう。

参考文献

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