「食中毒の治療方法」はご存知ですか?受診の目安についても解説!【医師監修】
公開日:2026/02/23

食中毒というと冬場に発生するイメージを持っている方もいるかもしれません。しかし、実際には年間を通して発生する身近なものです。2024年に発生した食中毒は年間1,037件で、患者数は14,229人です。
ひとくちに食中毒といっても、原因はさまざまで、原因物質によって症状も異なります。この記事では、食中毒は何時間後に体調が悪くなるかについて解説します。「食中毒が流行する前に知識をつけておきたい」「もしかしたら食中毒の症状が出ているかも」といった方の参考になれば幸いです。
※この記事はMedical DOCにて『「食中毒」になると「何時間後」に体調が悪くなるかご存知ですか?【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
居倉 宏樹(医師)
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浜松医科大学卒業。初期研修を終了後に呼吸器内科を専攻し関東の急性期病院で臨床経験を積み上げる。現在は地域の2次救急指定総合病院で呼吸器専門医、総合内科専門医・指導医として勤務。感染症や気管支喘息、COPD、睡眠時無呼吸症候群をはじめとする呼吸器疾患全般を専門としながら一般内科疾患の診療に取り組み、正しい医療に関する発信にも力を入れる。診療科目
は呼吸器内科、アレルギー、感染症、一般内科。日本呼吸器学会 呼吸器専門医、日本内科学会認定内科医、日本内科学会 総合内科専門医・指導医、肺がんCT検診認定医師。
は呼吸器内科、アレルギー、感染症、一般内科。日本呼吸器学会 呼吸器専門医、日本内科学会認定内科医、日本内科学会 総合内科専門医・指導医、肺がんCT検診認定医師。
目次 -INDEX-
食中毒の治療方法や予防法

食中毒で医療機関へ行く目安を教えてください。
下痢や嘔吐、激しい腹痛など食中毒が疑われる症状が見られる場合は、速やかに病院を受診することを推奨します。食中毒の症状によって水分が取れない場合や呼吸器に異常が見られる場合は、重症化が懸念されます。楽観視せず、場合によっては救急車を呼ぶことも検討が必要です。また、安易に市販薬を使用してしまうと、食中毒の原因物質が身体外に排出されるのを阻害してしまう恐れがあります。食中毒の恐れがある場合は、市販薬に頼らずに病院での診断を受けましょう。病院を受診する場合は、数時間〜1週間以内に食べた物を伝えることが重要です。特に、直近お口にした生物や自主採取した食べ物があれば、医師に伝えましょう。もし余裕があれば、検便のために便を採取しておくと原因の特定に役立ちます。医師は、食中毒と診断したら速やかに保健所へ届け出る必要があります。そのため、同じ食事をした方にも症状が出ている場合は、集団食中毒の可能性もあるため医師に伝えましょう。
医療機関での治療方法を教えてください。
食中毒の原因物質によって治療方法が異なるため、原因物質を特定することから始めます。もし、食中毒の原因に心当たりがある場合は、医師に伝えるとスムーズです。原因物質が特定できたら、症状に応じて治療内容が異なりますが、一般的には脱水症状を防ぐための点滴や、細菌が原因である場合には症状や重症度に応じて抗菌薬の投与などが行われます。
食中毒を予防するポイントを教えてください。
まずは、原因となる細菌やウイルスを家庭や調理場に持ち込まないことが重要です。こまめな手洗いやうがいを習慣づけることが有効です。持ち込んでしまった細菌やウイルスを増やさないように、食品を適切に管理し、調理器具を消毒することで予防になります。動物性や植物性の自然毒を避けるためには、入手経路が明確な食品を選ぶことも、有効な予防策の一つです。自分で採取した魚介類や野生の植物を食べる場合は、十分に知識がある方の判断を仰ぐことが重要です。
食中毒予防のための調理時の注意点を教えてください。
食中毒予防に効果的なのは、十分に食材を加熱することです。食材の中心部が75度で1分以上の加熱が目安です。また、食材を購入してから帰宅するまでや冷蔵庫での保管時に十分に冷却されていない場合は、食材が傷んでしまうことがあります。保冷剤や保冷バッグを使用したり、冷蔵庫は10度以下、冷凍庫は-15度以下を保ったりといった工夫をするとよいでしょう。調理時は手指消毒を行ってから調理をしたり、生物がほかの食材と触れないようにする注意が必要です。少しでも食材が傷んでいると感じた場合には、迷わず廃棄しましょう。食事の際にも、手指消毒を行ってから食事をし、温め直す場合は75度以上で1分間加熱するなどの工夫が効果的です。
編集部まとめ

食中毒はとても身近な病気で、季節に関係なくかかる可能性があります。症状は軽微なものから重篤なものまでさまざまですが、水分が取れなかったり呼吸器に異常が見られたりする場合は速やかに医師の診察を受けましょう。
また、食中毒の主な感染経路は食品です。新鮮な食べ物を十分に加熱してから食べる、採取ルートのわからない食べ物を食べないなどの対策が効果的です。もちろん、こまめな手洗いうがいや手指消毒も効果があります。
毎日お口にするものだからこそ、十分に注意を払うことが大切です。