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「食中毒の症状や原因」はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2026/02/22
食中毒の症状や原因

食中毒というと冬場に発生するイメージを持っている方もいるかもしれません。しかし、実際には年間を通して発生する身近なものです。2024年に発生した食中毒は年間1,037件で、患者数は14,229人です。

ひとくちに食中毒といっても、原因はさまざまで、原因物質によって症状も異なります。この記事では、食中毒の症状や原因について解説します。「食中毒が流行する前に知識をつけておきたい」「もしかしたら食中毒の症状が出ているかも」といった方の参考になれば幸いです。

※この記事はMedical DOCにて『「食中毒」になると「何時間後」に体調が悪くなるかご存知ですか?【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

居倉 宏樹

監修医師
居倉 宏樹(医師)

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浜松医科大学卒業。初期研修を終了後に呼吸器内科を専攻し関東の急性期病院で臨床経験を積み上げる。現在は地域の2次救急指定総合病院で呼吸器専門医、総合内科専門医・指導医として勤務。感染症や気管支喘息、COPD、睡眠時無呼吸症候群をはじめとする呼吸器疾患全般を専門としながら一般内科疾患の診療に取り組み、正しい医療に関する発信にも力を入れる。診療科目
は呼吸器内科、アレルギー、感染症、一般内科。日本呼吸器学会 呼吸器専門医、日本内科学会認定内科医、日本内科学会 総合内科専門医・指導医、肺がんCT検診認定医師。

食中毒の症状や原因

虫眼鏡をもつ男性医師

食中毒になるとどのような症状が出ますか?

食中毒の原因となる物質にもよりますが、嘔吐や下痢といった症状が一般的です。ノロウイルスを原因とする食中毒では、腹痛や発熱を引き起こすこともあります。一方で、A型肝炎ウイルスなど肝炎を引き起こす食中毒もあり、症状はさまざまです。
また、食中毒の原因となる物質を摂取したからといって、症状が出るわけではありません。健康状態がよかったり、原因となる物質の摂取量が少なかったりする場合は、明確な症状が出ないこともあります。
しかし、無症状でも他人へ感染を広げてしまうリスクがあります。そのため、手洗いやうがい、手指消毒などの対策はもちろん、普段から十分な睡眠を確保し、ストレスをためない生活習慣を身につけておくことも食中毒の対策になります。

食中毒の原因となる細菌を教えてください。

食中毒の原因となる細菌は複数存在しています。主な細菌としては、日本で特に多い原因菌であるカンピロバクターや、腸管出血性大腸菌O157などがあります。その他にも、食中毒を引き起こす可能性のある細菌は以下のとおりです。

  • サルモネラ
  • 黄色ブドウ球菌
  • 腸炎ビブリオ
  • ウェルシュ菌
  • セレウス菌
  • ボツリヌス菌
  • リステリア

細菌によって好む環境が異なるため、気をつけるべき食品はさまざまですが、生肉や十分に加熱されていない食品には注意が必要です。生食を避けつつ新鮮な食べ物を使用することや十分に加熱した食品を食べること、手指消毒の徹底が効果的でしょう。

食中毒の原因となるウイルスを教えてください。

食中毒を引き起こすウイルスのなかで代表的なのはノロウイルスです。ほかにもA型、E型肝炎ウイルスが挙げられるでしょう。特にノロウイルスによる食中毒は、年間の食中毒患者数のうち40.6%におよびます。冬場に多く発症し、感染力がとても強く、10~100個程度の少量のウイルスでも発症するため、大規模な食中毒を引き起こしやすい点も特徴です。細菌を原因とする食中毒と異なり、食品を介した感染だけでなく、感染者との接触でも感染する可能性があります。また、アルコールではノロウイルスを不活化できず、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効です。そのため、看病する際は、嘔吐物の処理に十分注意が必要です。手指消毒はもちろん、感染者が使用していた寝具や食器の消毒も効果があります。

細菌やウイルス以外で食中毒が発症するケースを教えてください。

細菌やウイルス以外が原因で食中毒を発症するケースとしては、主に動物性や植物性の自然毒や寄生虫が挙げられるでしょう。動物性の自然毒としては、フグ毒や貝毒などがあります。これらの自然毒は加熱しても毒性が失われないため、生産地や提供者をよく確認してから食べるようにしましょう。自然採取した魚や貝に含まれている可能性もあるため、禁漁区域で採取された魚や貝を食べないことも有効な対策です。また、植物性の自然毒としては毒キノコや有毒植物があります。食用のキノコや野菜と誤認する事故も発生しており、スイセンやイヌサフランをニラやタマネギと誤認するケースが報告されています。食用と判断に迷う植物を安易に食べないことが重要です。寄生虫の場合は主にアニサキスやクドアが原因となります。どちらも冷凍や加熱で死滅するため、生食を避けたり十分に加熱したりすることで対策できます。また、アニサキスの場合は目視で確認できるため、調理前や食前によく確認するとよいでしょう。

編集部まとめ

ポイント

食中毒はとても身近な病気で、季節に関係なくかかる可能性があります。症状は軽微なものから重篤なものまでさまざまですが、水分が取れなかったり呼吸器に異常が見られたりする場合は速やかに医師の診察を受けましょう。

また、食中毒の主な感染経路は食品です。新鮮な食べ物を十分に加熱してから食べる、採取ルートのわからない食べ物を食べないなどの対策が効果的です。もちろん、こまめな手洗いうがいや手指消毒も効果があります。

毎日お口にするものだからこそ、十分に注意を払うことが大切です。

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