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「白内障」を発症するとどんな「見え方」になるかご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/12/18

白内障は多くの方が経験する病気です。年齢を重ねるにつれて白内障と診断される方が増え、見えにくさに悩まされる方が少なくありません。

しかし、日帰り手術が普及したことで、短時間の手術で発症前のクリアな視界を取り戻せるようになりました。

この記事では白内障の見え方を解説します。日頃から白内障かもしれないと感じている方に、この記事が参考になれば幸いです。

※この記事はメディカルドックにて『「白内障手術後の生活」はどんなことに注意したらいい?【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

柳 靖雄

監修医師
柳 靖雄(医師)

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東京大学医学部卒業。その後、東京大学大学院修了、東京大学医学部眼科学教室講師、デューク・シンガポール国立大学医学部准教授、旭川医科大学眼科学教室教授を務める。現在は横浜市立大学視覚再生外科学教室客員教授、東京都葛飾区に位置する「お花茶屋眼科」院長、「DeepEyeVision株式会社」取締役。医学博士、日本眼科学会専門医。

白内障手術後の見え方

白内障手術後の見え方

白内障手術後すぐに視力は回復しますか?

白内障の日帰り手術を受けると、当日は眼帯をしたまま帰宅します。翌日医師の診察を受けて眼帯を外しますが、ほとんどの方はそのときには視力が回復した状態です。濁りが取れてクリアな視界が得られるでしょう。ただ、手術の影響による炎症で角膜に腫れが出る場合があり、そのときははっきり見えるまでに1週間程度かかることがあります。術後は頻繁に点眼を行うので、時間とともに見えづらさは回復します。また、眼内レンズの見え方に脳が慣れていないための違和感もあるでしょう。濁りで見えなかった青い光が見えるようになり、視野が青く見える方もいます。この場合も数ヶ月で回復するはずです。

白内障手術後は近くも遠くもよく見えますか?

白内障の手術後には、挿入する眼内レンズの種類によっては近くも遠くも見えるようになります。眼内レンズには、水晶体のように自動でピントを調整する機能がありません。そのため、自分が見たい範囲に適応した焦点を持つ眼内レンズを選ぶようになります。焦点が2つ以上ある多焦点レンズでは、近くも遠くも見ることが可能です。ただし見え方は鮮明度がやや劣ります。また焦点が一つだけの単焦点レンズの場合は、近焦点レンズを選ぶと遠くが見えにくく、遠焦点レンズでは近くが見えにくいのが特徴です。屋内の生活が主体の方は近焦点レンズ、屋外で仕事をする方は遠焦点レンズを選びましょう。

白内障手術後に眼鏡は必要ですか?

白内障の手術後には、多くの方で眼鏡が必要です。手術で挿入するレンズのうち焦点が一つの単焦点レンズでは、近焦点レンズを選んでも遠焦点レンズを選んでも、それぞれに見えにくい範囲ができてしまいます。そのため見えにくい部分を補うために、眼鏡やコンタクトレンズが必要です。近焦点レンズでは遠くを見るための近視用メガネが必要で、遠焦点レンズでは近くを見るための老眼鏡が必要になります。一方で焦点が2つ以上ある多焦点レンズでは、ほとんどの場合眼鏡なしで生活できます。眼鏡なしで生活したい方や眼鏡のかけはずしが面倒な方に向きますが、健康保険が一部しか適用されず費用は高額です。多焦点レンズで眼鏡が不要になったと言われる方は90%程度で、読書などの場合は眼鏡を使う方も見受けられます。

編集部まとめ

視力検査

この記事では白内障の原因や症状、手術によって改善されることや術後に注意すべきことを解説しました。

手術で眼内レンズに入れ替えればまた視力は回復します。術後の見え方はレンズの種類で違うので、どれにするかは患者さんの生活に合わせて選びましょう。

白内障手術は短時間でできるとはいえ、大変繊細な手術で合併症もあります。しかし術後の注意点に配慮すれば、視力が回復して快適な生活が望めるはずです。もし白内障を指摘されたら、迷わず手術を検討してみましょう。

この記事の監修医師

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