「逆流性食道炎」を発症したら「食事」はどんなことに注意した方がいいかご存知ですか?

逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流することで炎症を引き起こす病気です。胸やけや喉の違和感、呑酸などの症状が現れ、放置すると悪化することもあります。
本記事では以下の点を中心にご紹介します。
- 逆流性食道炎の治療法など
※この記事はメディカルドックにて『「逆流性食道炎」を発症したら「食事」はどんなことに注意した方がいいの?【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)
目次 -INDEX-
逆流性食道炎の治療法

逆流性食道炎になった場合、食事ではどのようなことに気をつけるとよいですか?
主菜には脂の少ない鶏ささみや白身魚、豆腐を使い、調理法は煮る・蒸す・ゆでるなど油を控えた方法を選びましょう。
キャベツやレタス、ブロッコリーに含まれるビタミンU(キャベジン)は胃酸の分泌を抑えるため、積極的に摂ることがおすすめです。
一方で、香辛料の多い料理、高脂肪食、甘いもの、酸味の強い食品は胃酸分泌を促進するため避けるべきです。
また、麺類は空気を飲み込みやすいため控えめにし、早食いを避けてよく噛むことで胃への負担を軽減できます。
さらに、食後2~3時間は横にならず、腹八分目を心がけることが症状の悪化を防ぐポイントです。
逆流性食道炎の薬物療法について教えてください
主にプロトンポンプ阻害薬(PPI)やH2ブロッカーが処方され、これらは胃酸の分泌を抑え、食道粘膜の炎症の改善を目指します。特にPPIは効果が期待でき、症状が改善する患者さんが多いとされていますが、服薬を中断すると再発しやすいため、医師の指示に従い継続的に服用することが重要です。
また、胃の働きを助ける消化管運動機能改善薬や、ストレスの影響を軽減する抗不安薬や漢方薬が補助的に使用されることもあります。
症状がPPIに反応しない場合は、PPI抵抗性胃食道逆流症と診断され、追加の治療が検討されます。
適切な薬を継続することで、症状の緩和と再発防止が期待できます。
逆流性食道炎の手術療法について教えてください
しかし、これらの対策を行っても症状が改善しない場合や、食道の狭窄や出血が繰り返される場合には、手術が検討されます。
手術の目的は、逆流を防ぎ、症状を改善し、生活の質(QOL)を向上させることです。特に、内科的治療で効果が不十分な場合や、バレット食道・食道狭窄・食道裂孔ヘルニアがある場合には、手術が適応される可能性があります。
代表的な手術法には、胃の上部を食道に巻き付けて逆流を防ぐ腹腔鏡下噴門形成術があります。ただし、手術には入院や合併症のリスクも伴うため、医師と相談し慎重に検討することが重要です。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
また、就寝前の食事を控え、適度な運動を取り入れることで症状の改善が期待できます。
症状が続く場合は、自己判断せずに受診し、適切な治療を受けましょう。
編集部まとめ

ここまで逆流性食道炎になったら食事ではどのようなことに気をつけるとよいのかについてお伝えしてきました。
逆流性食道炎になったら食事ではどのようなことに気をつけるとよいのかについて、要点をまとめると以下のとおりです。
- 逆流性食道炎の症状を和らげるためには、食事内容と食べ方に注意が必要である。高脂肪食や酸性食品、刺激物、アルコールやカフェインを避け、消化によい食品を選ぶとよい。 また、早食いや食べ過ぎを控え、就寝前の食事は避けることが重要である
- 逆流性食道炎は食習慣や生活習慣、体型などが影響する。高脂肪食や刺激物の摂取、肥満、喫煙、アルコールの過剰摂取はリスクを高める。長時間の前かがみ姿勢、腹部を締め付ける服装、妊娠、加齢も原因となるため、適切な食事や姿勢の見直しが予防に役立つ
- 逆流性食道炎の治療は、食事改善・薬物療法・手術療法が中心である。消化によい食事を選び、刺激物を避けることが重要。薬物療法ではPPIやH2ブロッカーが使用され、症状が改善しない場合は手術が検討される
逆流性食道炎は、食事や生活習慣の改善で症状を軽減できます。適切な食事管理や姿勢の見直し、ストレス対策を意識することが大切です。症状が続く場合は医師に相談し、適切な治療を受けましょう。
本記事が少しでもお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。