「アスペルガー症候群特有の顔つき」はご存知ですか?【医師監修】
公開日:2025/12/01

アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)は、コミュニケーションや社会的な相互作用に特徴が見られる発達障害の一つです。
本記事ではアスペルガー症候群について以下の点を中心にご紹介します。
ぜひ最後までお読みください。
※この記事はメディカルドックにて『「アスペルガー症候群を疑う顔つき」はご存知ですか?発症する原因も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)
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専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
目次 -INDEX-
アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)の特徴
アスペルガー症候群にはどのような特徴がありますか?
アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症:ASD)の特徴は、大きく分けて以下が挙げられます。
1.社会的コミュニケーションの困難
相手の言葉をそのまま受け取る傾向があり、比喩や暗示を理解するのが難しいことがあります。そのため、場の空気を読まずに発言し、冗談や皮肉を真に受けてしまうことがあります。
2.対人関係の困難
相手の気持ちを察するのが苦手で、不適切な発言をしてしまうことがあります。また、話の流れを無視して一方的に自身の興味のある話題を続けることもあります。
3.強いこだわり
特定の物事に強い関心を示し、それについて深く探求することがあります。ルールや習慣が崩れることに強いストレスを感じることもあります。
4.感覚の偏り
音や光に過敏だったり、特定の食感や触感を極端に嫌うことがあります。このため、特定の環境ではストレスを感じやすくなることもあります。
アスペルガー症候群の顔つきの特徴はありますか?
アスペルガー症候群(ASD)に特有の顔つきというものは医学的には存在しませんが、以下のような特徴がみられることがあります。
1.表情が乏しい
感情と表情を結びつけることが難しく、笑顔や驚きなどの表情を適切なタイミングで表現するのが苦手なことがあります。そのため、周囲から冷たい、感情がないと誤解されることもあります。
2.目が合いにくい
アイコンタクトが苦手な傾向があり、会話の際に目を合わせないことがあります。これは視覚的な刺激を避けようとするためや、対人不安が関係していることもあります。そのため、自信がない、無礼と誤解されることがあります。
3.場にそぐわない表情
状況に合った表情を作るのが難しく、不適切なタイミングで笑ったり、驚くべき場面でも無表情でいることがあります。このため、周囲から違和感を持たれたり、対人関係が難しくなることがあります。
アスペルガー症候群のライフステージの特徴を教えてください
アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)は、ライフステージごとに異なる特徴が現れます。
・乳幼児期
目を合わせることが少なく、指さしや微笑み返しが見られにくい傾向があります。抱っこを嫌がる、食べ物の好みに極端な偏りがあるなどの特徴もあります。
・幼児期・学童期
集団行動が苦手で、友達とのコミュニケーションに課題を抱えることが多いようです。興味のある分野には強く集中する一方、決まったルールや予定の変更に抵抗を示すことがあります。
・思春期
対人関係がより複雑になり、いじめの対象になりやすかったり、相談が苦手で孤立したりすることもあります。ストレスが蓄積し、精神的に不安定になりやすい時期です。
・成人期
職場では暗黙のルールの理解が難しく、対人関係に悩むことがあります。適切な支援や環境が整うことで、特性を活かした活躍が可能になります。
編集部まとめ
ここまでアスペルガー症候群の顔つきや特徴についてお伝えしてきました。アスペルガー症候群の顔つきや特徴の要点をまとめると以下のとおりです。
- アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)とは、自閉スペクトラム症(ASD)の一部として位置づけられている発達障害の一つ
- アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)の顔つきには、表情が乏しい、目が合いにくい、場にそぐわない表情をするなどが挙げられる
- アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)の特徴は大きく分けて、社会的コミュニケーションの困難・対人関係の困難・強いこだわり・感覚の偏りなどの特徴がある
もし、自身や家族が特性に悩んでいるなら、一人で抱え込まず、専門機関や信頼できる方に相談してみましょう。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。