「緑内障の症状」はご存知ですか?【医師監修】

緑内障は、眼圧の上昇により視神経に障害が起き、視野異常を引き起こす疾患です。
ただし、正常眼圧緑内障と呼ばれる、眼圧が正常範囲内(10〜20mmHg)にもかかわらず発症する緑内障もあります。この種類の緑内障は、視神経の脆弱性や血流の問題が関係していると考えられています。日本の疫学調査によると、40歳以上の人口において、正常眼圧緑内障の頻度は2.04%で、眼圧が高い緑内障(0.58%)の約3.5倍であることが分かっています。
いずれのタイプの緑内障の治療でも、眼圧の管理がとても大切です。眼圧を上昇させる行動や薬剤の使用を避ける必要があります。
症状を悪化させないためには、緑内障の正しい知識と注意点をしっかり理解することが大切です。
この記事では、緑内障を抱える方が知っておくべき禁忌薬剤や日常生活での注意点を解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「緑内障になったらしてはいけないこと」はご存知ですか?日常生活の注意点も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
柳 靖雄(医師)
緑内障の特徴と症状
緑内障とはどのような病気ですか?
緑内障の症状を教えてください。
緑内障の治療法を教えてください。
- プロスタグランジン関連薬
- β遮断薬
- 炭酸脱水酵素阻害薬
- α2作動薬
- 副交感神経刺激薬
緑内障の種類や進行度合に合わせて薬剤を選択し、複数の点眼薬を併用する場合もあります。薬物療法で眼圧が下がらない場合、病状に応じてレーザー治療が選択されます。2種類の方法があり、レーザー線維柱形成術は開放隅角緑内障、レーザー虹彩切開術は閉塞隅角緑内障の患者さんが対象です。薬物療法やレーザー治療で症状が改善しない場合、または効果がなく眼圧を下げることができなかった重度の緑内障の場合には、手術での治療となります。
- 線維柱帯切開術(トラベクロトミー):薬物治療やレーザー治療で十分な効果が得られない場合に検討される手術法
- 線維柱帯切除術(トラベクレクトミー):眼の外側に小さな排出路をつくり、房水が眼の外に流れやすくする方法
- チューブシャント手術:小さなチューブを挿入し、房水がほかの部分に排出されるようにする方法
患者さんの全身状態・緑内障の種類・進行度に合わせて上記の手術方法が選択されます。
編集部まとめ
緑内障は、初期の段階では発見されにくく、症状が進行すると視力低下や失明につながる疾患です。
緑内障の治療法には、薬物療法・レーザー治療・手術治療が行われます。
治療中の疾患がある場合には、眼圧が上がる薬剤の使用を避ける必要があります。
また、日常生活ではうつ伏せや下を向く作業を長時間行わないなど、眼圧が上がる可能性がある行動を避けるように意識しましょう。
眼の健康を維持できるよう、早期発見・早期治療が大切です。定期的に検診を受け、異常に気付いたときは早めに医療機関を受診しましょう。