「知的障害の支援制度」はご存知ですか?知的障害がある方への接し方も解説!
公開日:2024/11/17
知的障害は予防や治療の方法がわかっておらず、患者さん自身が社会生活を送るうえでも大きな影響を及ぼすことが少なくない障害です。
この記事では知的障害の概要や原因のほか、混同されることがある発達障害との違いや、知的障害と診断された場合に利用できる制度・窓口などについて解説します。
身近に知的障害の患者さんがいる方だけでなく、知的障害について知りたいと思っている方も、ぜひ参考にしてください。
※この記事はMedical DOCにて『「知的障害の原因」はご存知ですか?症状や特徴も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)
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専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
知的障害がある人への支援制度と接し方
知的障害がある人向けの支援制度や機関について教えてください。
知的障害を持つ方を支援するため、いくつかの制度や機関が整備されています。利用できる制度としては、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスがあります。療育手帳を取得することでサービスの対象となり、日常生活に必要な支援を受ける居宅介護のほか、短期入所やデイサービスなどの利用が可能です。また、就労することや仕事をうまく続けていくことを支援するため、就労移行支援や就労継続支援といったサービスもあります。こうした制度を利用したい場合や、知的障害に関する相談窓口を探している場合の窓口は、地域にある障害者相談支援センターです。その他、市区町村の支援課や保健所、特別支援学校や福祉事業所などに相談するのもよいでしょう。
知的障害がある人との接し方を教えてください。
知的障害がある人と接するときは、まず相手の特性やニーズを理解することが重要です。具体的には、相手の得意なことや興味を持っていることを尊重し、自己肯定感を高めるような対応を心がけましょう。また、十分に理解できないまま話を進めることは、誤解や行き違いのもとになります。相手のペースに合わせてゆっくりと話し、わかりやすい言葉を使うことが大切です。その他、一度にたくさんのことを伝えずに、短い文で必要なことを一つひとつ伝えながら理解できているか確認することを心がけましょう。加えて、行動や返事を待つ際には急かさず、相手の反応を待つ姿勢も必要です。なお、知的障害がある方は反応や考え方に強いこだわりや個々の特性が現れるケースも少なくありません。無理に一般的な会話のルールだけに沿わず、柔軟に対応するとコミュニケーションが取りやすいでしょう。
編集部まとめ
知的障害を抱えている方は、ほかの人が日常的に行っていることや何気なくできていることにも大きな困難を感じていることも多いでしょう。
また、発症に先天的要因が関わっていることや患者さんの自立した生活が難しいことから、知的障害がある方の兄弟や親が大きな負担を抱えている場合もあります。
こうした背景のなかで、周囲の人たちが知的障害の特性や支援の在り方について理解を深めることは、患者さん本人や家族の負担を和らげることにつながるかもしれません。