「知的障害と発達障害」にはどんな支援があるの?【医師監修】
公開日:2024/11/14
知的障害と発達障害はそれぞれ異なる特徴があります。知的障害は知的発達や言葉の発達に遅れがあるのに対し、発達障害は脳機能の発達がかたよっているためにさまざまな特性が現れる障害です。
二つの障害とも早期に発見し、個々の状態に合わせた養育と支援で社会性を身につけ、生活面を含め自立を目指す支援が行われています。
本記事では、知的障害と発達障害の特性や、診断につなげる方法や支援の種類をくわしく解説しています。
※この記事はMedical DOCにて『「知的障害と発達障害の違い」はご存知ですか?それぞれの特徴も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)
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専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
知的障害と発達障害の支援
知的障害にはどのような支援がありますか?
知的障害のお子さんには、特別支援学級や特別支援学校にて個々の能力に合わせた教育を行っています。障害の程度により、特別支援学級と特別支援学校にわかれ、日常生活を自分の力で送れるような支援をしています。また、社会に出て困らないような知識を身につけられる場所です。また、重度の知的障害があり常に介護が必要となる場合は、障害福祉サービスの重度訪問介護を受けられます。自立支援や就労支援などの各支援も充実しているので、将来自立するために積極的に活用しましょう。
発達障害にはどのような支援がありますか?
発達障害は、各都道府県や指定都市に発達障害者支援センターが設置されています。発達障害の専門的な支援を総合的に行っているので、まずは発達障害支援センターへ相談しましょう。地域での支援として、当事者や家族のためのピアサポートを行っていたり、保育所や放課後児童クラブなどで発達障害の傾向があるお子さんの見守りを行ったりしています。また、気になるお子さんには専門員が家庭訪問を行い支援につなげる場合もあります。学習に関しては、個々の障害の程度や能力などにより普通学級か特別支援学級かの判断が可能です。発達障害の状態の変化に対応して、一度支援学級に入っても普通学級での指導がのぞましいと判断した場合、変更が可能です。就労支援なども充実しています。
障害年金を手続きするポイントを教えてください。
障害年金は知的障害や発達障害でも受給可能です。申請する際、病院で初めて診察を受けた日を申請するため、受診日を記録しておきましょう。なお、先天性の知的障害は出生日になりますが、後天的な知的障害は初受診日なので注意しましょう。障害年金障害の程度によって等級が定められています。支給されるのは障害等級が1級と2級のみです。3級の場合は支給されないので注意しましょう。障害年金は、本人か代理人による申請が必要です。申請は複雑でとてもわかりづらいため、まずは年金事務所や年金相談センターで相談してみましょう。
編集部まとめ
知的障害と発達障害の違いを解説しました。二つの障害ともコミュニケーションが苦手な方が多く、集団生活では悩みを抱えがちです。
しかし、適切な養育と支援を受けられれば、まわりの手を借りず一人でできる範囲も増え自立に向かいます。就労支援もあり社会に出て働き、自立できる可能性が広がっていきます。
二次障害を引き起こさないためにも、気になる特性がある場合は一人で抱え込まず、まずは各都道府県の発達障害者支援センターに相談してみましょう。