「知的障害と発達障害の検査方法」はご存知ですか?【医師監修】
公開日:2024/11/14
知的障害と発達障害はそれぞれ異なる特徴があります。知的障害は知的発達や言葉の発達に遅れがあるのに対し、発達障害は脳機能の発達がかたよっているためにさまざまな特性が現れる障害です。
二つの障害とも早期に発見し、個々の状態に合わせた養育と支援で社会性を身につけ、生活面を含め自立を目指す支援が行われています。
本記事では、知的障害と発達障害の特性や、診断につなげる方法や支援の種類をくわしく解説しています。
※この記事はMedical DOCにて『「知的障害と発達障害の違い」はご存知ですか?それぞれの特徴も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)
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専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
知的障害と発達障害の検査と診断
検査方法を教えてください。
知的障害は、幼児期に言葉の遅れが見られた場合、知能の発達の程度を調べます。よく耳にする知能検査はIQを調べ、軽度から最重度まで分類するテストです。知的障害にいたる原因となる病気がないかを検査し、日常生活に適応できるか診断します。一方発達障害では、幼少期に発達にかたよりが見られたら家族歴やアレルギーの有無などを問診し発達検査や知能検査を行い、必要に応じてMRIやCTを撮影したり、血液検査をしたりして診断しています。各都道府県に発達障害者支援センターがあるので相談しましょう。なお、大人の発達障害は精神科や心療内科で診断可能です。
知的障害と発達障害の分類はどのように診断されますか?
知的障害は知能検査を行い、IQの数値によって軽度から最重度までの4つに分類されます。
軽度では成人になった知的障害の精神年齢はおよそ9歳から12歳ですが、最重度では3歳程です。また、福祉の面では知的能力と日常生活の能力は一致するとは限らないため、必要な援助を一人ひとりの活動能力に合わせて療育手帳を交付しています。発達障害は脳の発達のかたよりによるものです。それぞれの障害に特徴的な症状があらわれているため、強くでている特性で分類できます。発達障害は重複した特性を持つ方が少なくないのも特徴のひとつです。発達障害単体ではなく、数種類の診断がついている方もいます。
軽度では成人になった知的障害の精神年齢はおよそ9歳から12歳ですが、最重度では3歳程です。また、福祉の面では知的能力と日常生活の能力は一致するとは限らないため、必要な援助を一人ひとりの活動能力に合わせて療育手帳を交付しています。発達障害は脳の発達のかたよりによるものです。それぞれの障害に特徴的な症状があらわれているため、強くでている特性で分類できます。発達障害は重複した特性を持つ方が少なくないのも特徴のひとつです。発達障害単体ではなく、数種類の診断がついている方もいます。
その他の障害を合併するケースがありますか?
自閉症がある方は、知的障害を合併しているケースが多く見られます。また、視覚や聴覚に障害がある方に知的障害が見られるケースもあるのです。重症心身障害児では高い割合で知的障害があります。特に、医療型肢体不自由児施設では重度心身障害児の割合が高くなっています。また、発達障害は特徴的な特性があり、なかなか周囲の理解が得られません。特に学校ではうまく集団行動がとれずストレスになってしまう子も少なくありません。ストレスが蓄積されると不登校や引きこもりなどにつながる可能性があります。
編集部まとめ
知的障害と発達障害の違いを解説しました。二つの障害ともコミュニケーションが苦手な方が多く、集団生活では悩みを抱えがちです。
しかし、適切な養育と支援を受けられれば、まわりの手を借りず一人でできる範囲も増え自立に向かいます。就労支援もあり社会に出て働き、自立できる可能性が広がっていきます。
二次障害を引き起こさないためにも、気になる特性がある場合は一人で抱え込まず、まずは各都道府県の発達障害者支援センターに相談してみましょう。