「大人のRSウイルス感染症」の予防法はご存知ですか?治療法についても解説!【医師監修】
公開日:2025/11/14

RSウイルス感染症とはRSウイルスの感染によって引き起こされる病気です。 RSウイルス感染症は幼い子どもが罹患することが少なくなく、重症化の危険性もある病気です。 今回は大人のRSウイルス感染症の治療・予防法について解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「大人」が「RSウイルス感染症」を発症するとどんな症状が現れる?【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
眞鍋 憲正(医師)
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信州大学医学部卒業。信州大学大学院医学系研究科スポーツ医科学教室博士課程修了。日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本医師会健康スポーツ医。専門は整形外科、スポーツ整形外科、総合内科、救急科、疫学、スポーツ障害。
大人のRSウイルス感染症の治療・予防法
大人のRSウイルス感染症の治療法は?
RSウイルス感染症には特効薬とよばれるものはありません。治療は主に対症療法で対応します。対症療法の内容は、軽症の場合は市販の解熱鎮痛薬や水分補給などで、重症の場合は酸素投与・点滴・呼吸管理など症状を和らげる治療方法です。ただ、気管支拡張剤に関しては期待される程の効果が得られなかったという報告も少なくないので、一定の見解は得られていません。回復までにかかる期間は軽症の場合数日間で、重症化していく家庭の呼吸困難などの症状がでた場合は1週間程度かかることもあります。
大人のRSウイルス感染症の予防法は?
感染症の予防はマスクの着用や手洗い・アルコール消毒、人混みを避けるなどの基本的な感染予防対策が大切です。さらに、60歳以上や胎児への影響を予防するために妊婦が摂取するワクチンがあります。ワクチンはアレックスビー筋注用とアブリスボ筋注用の2種類です。アレックスビー筋注用は60歳以上の方向けのワクチンで、副作用はアナフィラキシーショックがあります。アブリスボ筋注用は60歳以上の方と24〜36週の妊婦向けのワクチンで、副作用はアナフィラキシーショックです。どちらのワクチンも37.5度以上の発熱や重篤な急性疾患にかかっている方、アナフィラキシーショックをおこしたことがある方は注射できません。
発症した場合は出勤停止になりますか?
RSウイルスに感染した場合の出勤停止期間は特に定められていません。風邪などのほかの出勤停止期間の定められていない病気と同じように咳や発熱などの症状がなくなり元気になれば出勤することができます。ただ、大人が発症した場合、風邪のような症状のため知らずに周囲に感染を広めてしまうことがあります。小さい子どもや高齢者など重症化のリスクがある方たちにうつさないためにも、咳やくしゃみなどの症状が出た場合はマスクや手洗などの感染に対する対策をしっかりとるようにしましょう。