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「痛風の原因」になりやすい食べ物はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/04/03

痛風は中年男性に発症しやすい病気です。身近な方が痛風になり、痛かったとは聞くものの、何が原因で発症するのかは知らない方もいるのではないでしょうか。

一方、何の症状もないのに健康診断で尿酸値が高いと指摘される方もいます。痛風に気を付けるよう指導されても、何をすればよいのか不安に感じている方もいるでしょう。

今回は、痛風の原因などについて解説します。ご自身やご家族の健康維持にお役立てください。

※この記事はMedical DOCにて『「痛風の原因」になりやすい食べ物はご存知ですか?対策が期待できる食べ物も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

眞鍋 憲正

監修医師
眞鍋 憲正(医師)

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信州大学医学部卒業。信州大学大学院医学系研究科スポーツ医科学教室博士課程修了。日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本医師会健康スポーツ医。専門は整形外科、スポーツ整形外科、総合内科、救急科、疫学、スポーツ障害。

痛風の原因

お酒を飲む会社員

痛風と高尿酸血症に関係はありますか?

血液中の尿酸値が1デシリットルあたり7.0mg以上になると、高尿酸血症と診断されます。高尿酸血症は遺伝要因と環境要因が積み重なり、発症に至ると考えられている生活習慣病のひとつです。高尿酸血症の患者さんは肥満や脂質異常症、糖代謝障害を合併している方が少なくありません。高尿酸血症が持続すると、関節内に尿酸の結晶が溜まります。溜まった結晶に対する炎症反応が痛風発作です。ただし、高尿酸血症の患者さん全員に痛風発作が起こるわけではありません。痛風発作が起きていない高尿酸血症の患者さんは、痛風発作を起こす前に生活習慣を改善して血液中の尿酸値を下げましょう。

痛風の原因になりやすい食べ物は?

尿酸は、肝臓で代謝されたプリン体の老廃物です。プリン体は、細胞に存在する核酸の主成分であり、ほとんどの食品に含まれています。痛風の原因になりやすい食べ物は、プリン体を多く含む食品です。食品100gあたり200mg以上のプリン体を含む食品を高プリン食と呼びます。代表的な高プリン食は、以下のとおりです。

  • レバー
  • 魚の干物
  • 白子
  • あんこうの肝
  • カツオ
  • 大正エビ

肉や魚の内臓のように細胞数の多く、細胞分裂の盛んな組織を含む食品にはプリン体が多くなる傾向があります。複数の研究により、プリン体を多く含む食品を好んで摂取する食生活が、痛風を発症するリスクを高めることがわかっています。

アルコールは痛風の原因になりますか?

アルコールの摂取は、体内の尿酸値の上昇に関連しています。痛風患者さんの生活習慣の改善には、飲酒制限が必須です。アルコールを摂取するとエネルギーの貯蔵・利用に関わるATPの分解が進み、プリン体が増加します。つまり、アルコール自体のプリン体の有無に関わらず、アルコールを代謝する過程で尿酸値を上げる働きがあるのです。アルコールの摂取量が増える程、痛風を発症するリスクは高まります。アルコールの摂取は1日に日本酒1合、ビールは350〜500ミリリットルとし、ウィスキー60ミリリットルまでにしましょう。

痛風発症にストレスは関係していますか?

ストレスは、尿酸値を上昇させる要因の1つです。ストレス状態では交感神経が興奮し、サイトカインという物質の働きが活発になります。サイトカインは免疫細胞を活性化させ、関節内に溜まっている尿酸結晶の炎症を誘発すると考えられている物質です。痛風発作を起こす前の患者さんの行動を調査した研究では、ストレスから解放された休みの日に発作を起こす患者さんがいることがわかっています。普段からストレスを抱え込まない工夫も大切です。

痛風と年齢は関係がありますか?

痛風の発症年齢は、ピークが50歳代であるとされてきました。近年は若年化し、発症年齢のピークは30歳代から40歳代です。一方、症例数は少ないものの10歳代で発症する患者さんもいます。痛風は、男性と閉経後の女性に高い頻度で発症します。これは、女性ホルモンに尿酸を排泄する作用があり、女性は男性よりも尿酸値が低い傾向があるためです。

編集部まとめ

食事を楽しむ男女
痛風は高尿酸血症が持続した結果、発症に至る生活習慣病です。血液中の尿酸値を低下させる治療は、生活習慣の改善が基本となります。

飽和状態となった血液中の尿酸が関節内に結晶として溜まり、炎症を起こした状態が痛風発作です。激痛を生じる痛風発作時は薬物による治療を行います。

痛風の予防にはプリン体を多く含む食品とアルコールの摂取を控え、野菜や果物、豆類などを積極的に摂取しましょう。有酸素運動の継続も、血液中の尿酸値を低下させる効果があるとされています。

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