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「痛風の症状」はご存知ですか?治療法も解説!【医師監修】

 公開日:2025/04/03

痛風は中年男性に発症しやすい病気です。身近な方が痛風になり、痛かったとは聞くものの、何が原因で発症するのかは知らない方もいるのではないでしょうか。

一方、何の症状もないのに健康診断で尿酸値が高いと指摘される方もいます。痛風に気を付けるよう指導されても、何をすればよいのか不安に感じている方もいるでしょう。

今回は、痛風の症状や治療法などについて解説します。ご自身やご家族の健康維持にお役立てください。

※この記事はMedical DOCにて『「痛風の原因」になりやすい食べ物はご存知ですか?対策が期待できる食べ物も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

眞鍋 憲正

監修医師
眞鍋 憲正(医師)

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信州大学医学部卒業。信州大学大学院医学系研究科スポーツ医科学教室博士課程修了。日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本医師会健康スポーツ医。専門は整形外科、スポーツ整形外科、総合内科、救急科、疫学、スポーツ障害。

痛風の症状と治療法

痛風で痛む足

痛風の症状を教えてください

ある日突然、足の親指の付け根の関節が赤く腫れて、激しい痛みを生じる病気です。足の親指の付け根以外に足の甲・膝関節・手首の関節などに激痛が起こる場合もあります。風が吹いても痛いと例えられる、この激痛が痛風発作です。痛みは1週間から10日程度で自然に軽快します。痛風発作を繰り返すうちに発作の間隔が短くなり、腎結石・尿管結石を併発することもある病気です。痛風発作を経験している患者さんのなかには、発作の前兆を感じる方もいます。

痛風の痛みが発生するメカニズムは?

血液中の尿酸の濃度が上昇して飽和溶解度を超えると、関節内に結晶となって溜まります。結晶に対して防御機構である白血球が反応して、炎症を起こした状態が痛風発作です。尿酸は体内に一定量存在する物質で、血液に溶けて体内を循環し、尿や便として排泄されます。血液中の尿酸濃度が上昇する原因には、尿酸が体内で過剰に産生されている、もしくは尿酸の排泄が悪くなっている状態が考えられます。なお、血液中の尿酸値をさらに上昇させ、痛風発作を発症しやすい状況は、食べすぎ・飲みすぎ・脱水時です。エネルギーの過剰摂取や脂肪の蓄積が続くと遊離脂肪酸が増加し、関節内にたまった尿酸結晶の炎症が起こりやすくなります。尿酸の結晶が腎臓にたまる病気が痛風腎です。痛風腎になると蛋白尿や血尿が出て、腎臓の機能が低下します。

痛風の治療法は?

痛風の治療には、痛風発作時の治療と血中尿酸値をコントロールする治療があります。痛風発作が起こったときの応急処置は、患部の安静と冷却です。応急処置をしながら医療機関を受診し、薬物による治療を受けましょう。痛風発作時の主な治療薬は、非ステロイド抗炎症薬やコルヒチン、ステロイド薬です。痛風発作の前兆を感じたときには、医師から指示された量のコルヒチンを使用すると、痛風発作を抑える効果が期待できるとされています。血中尿酸値の管理には、まず生活習慣の改善が基本です。腎障害・尿路結石・高血圧などの合併症がある患者さんは、血液中の尿酸値が1デシリットルあたり8mg以上になると薬物治療の対象となります。合併症のない患者さんは、1デシリットルあたり9mg以上が薬物治療の対象です。

編集部まとめ

食事を楽しむ男女
痛風は高尿酸血症が持続した結果、発症に至る生活習慣病です。血液中の尿酸値を低下させる治療は、生活習慣の改善が基本となります。

飽和状態となった血液中の尿酸が関節内に結晶として溜まり、炎症を起こした状態が痛風発作です。激痛を生じる痛風発作時は薬物による治療を行います。

痛風の予防にはプリン体を多く含む食品とアルコールの摂取を控え、野菜や果物、豆類などを積極的に摂取しましょう。有酸素運動の継続も、血液中の尿酸値を低下させる効果があるとされています。

この記事の監修医師

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