「感電」したら何科を受診したらいい?治療法も解説!【医師監修】

コンセントに触った時、びりっとしたことはありませんか。
感電とは、電流が人体を通って衝撃を与えることです。例えば、冬場にドアノブに触れたときや衣類を脱いだときに発生する「パチッ」という静電気も、感電の一種です。
また、デンキウナギのように、電気を発生させて他の生物に感電を与えようとする生物も存在します。
感電は電気工事に携わらない一般の人々にも起こり得る身近な事象であり、恐ろしい現象です。そのため、感電を防ぐための対策を知っておくことは非常に重要です。
この記事は、感電した場合の受診科・治療法について説明します。
※この記事はMedical DOCにて『「感電」はどれくらいの電流で死に至るかご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
感電の受診や治療
感電した場合何科を受診すればよいですか?
どのような治療が行われますか?
心電図モニターの装着・心臓マッサージやAEDの使用・人工呼吸・静脈路確保・多発外傷の応急処置・採血などが行われるのです。入院時の全身管理では、圧挫損傷に伴うショック状態に対する集中治療を行います。心臓や血管など循環系のチェック、脳・脊髄・末梢神経障害への対処を行うのです。また急性腎不全の早期発見・併発損傷の評価と治療などを行います。
損傷範囲は皮膚だけでなく、皮下組織・筋肉・腱・血管・神経・骨に及ぶ場合があるのです。時間の経過とともに壊死範囲が広がり、デブリードマン(壊死組織の除去)や四肢切断の必要性が生じる場合もあります。また、末梢血管の損傷による動脈瘤形成・出血・閉塞・狭窄(きょうさく)・血栓形成も生じる可能性があるため、それに対処する必要もあるのです。
編集部まとめ
感電するとどうなるのか、メカニズム・対処法について解説しました。感電は電流が人体を通って障害を引き起こすもので死に至ることがあります。
電気機器の普及により、電気に関わる人々だけでなく家庭でも電気に接する機会が増えています。その結果電気に関連した事故も増加しているのです。
感電の症状は、熱傷が生じ、皮膚が痛み・発熱・全身の強い炎症・脱水症状が現れることがあります。感電によって命を落とすこともあります。
感電事故を防ぐためには、「濡れた手で電気製品を触らない」といった対策が重要です。また、「正しくアースや漏電遮断器を設置する」ことも効果的な手段です。
アースや漏電遮断器が設置されていない場合や造設を考えている場合は、専門業者に相談しましょう。
電気を使わない日はありません。そのためにも感電の仕組みを理解することは非常に重要なのです。