難病「アルポート症候群」は何の病気に進行する?食事や生活の制限も医師が解説!
公開日:2026/03/05

アルポート症候群は遺伝しやすい病気です。発症者の90パーセントの方の家族が、腎臓に何らかの病歴があります。残りの10パーセントの方は、突発性の遺伝子異常と考えられてます。
アルポート症候群では血尿や蛋白尿といった症状が出るため、ご家族に腎疾患歴がある方は定期的な尿の検査が大切です。
難病に指定されているアルポート症候群はどのような病気なのか、遺伝性・症状・発生率・治療方法・経過などについて詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『遺伝しやすい「アルポート症候群」の症状・発生率はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。
アルポート症候群の経過や制限

アルポート症候群の経過について教えてください。
本症候群の経過は、始めは慢性腎不全になり、最終的には末期腎不全になります。末期腎不全になる年齢の中央値は、以下の通りです。
- X染色体連鎖型アルポート症候群:男性35歳、女性60歳
- 常染色体潜性(劣性)型アルポート症候群:男女共に21歳
- 常染色体顕性(優性)型アルポート症候群:男女共に60歳
難聴は10歳を過ぎてから発症し、徐々に進行します。重度の難聴になると、補聴器が必要になります。
日常生活を送るうえで制限などはありますか?
腎機能に問題がなければ、特に日常生活の制限はありません。バランスのよい食事を摂り、十分な睡眠を心がけながら普通の生活を送ってください。
ただし、定期的な検査は必要です。また蛋白尿が発症している場合は、アンジオテンシン変換酵素阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬を内服し、腎機能の低下を防いでください。
難聴が重症化すると、日常生活に不自由や危険が発生します。難聴が進んだ場合は、補聴器で聞こえる領域を確保しましょう。
ただし、定期的な検査は必要です。また蛋白尿が発症している場合は、アンジオテンシン変換酵素阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬を内服し、腎機能の低下を防いでください。
難聴が重症化すると、日常生活に不自由や危険が発生します。難聴が進んだ場合は、補聴器で聞こえる領域を確保しましょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
アルポート症候群は、指定難病218の希少疾患です。全国的に症例が少なく、根本的な治療方法がありません。治療は保存期管理と腎代替療法に分かれ、保存期管理では末期腎不全への進行を防ぐのが治療目標になります。
末期腎不全まで進行すると、血液透析・腹膜透析・腎移植といった腎代替療法が必要です。腎代替療法での生存率は非常に高く、多くの患者さんが腎代替療法を行いながら日常生活を送っています。
尿検査が本症候群の発見につながるケースが多いため、ご家族に腎疾患歴のある方は定期的な健康診断を受けてください。
末期腎不全まで進行すると、血液透析・腹膜透析・腎移植といった腎代替療法が必要です。腎代替療法での生存率は非常に高く、多くの患者さんが腎代替療法を行いながら日常生活を送っています。
尿検査が本症候群の発見につながるケースが多いため、ご家族に腎疾患歴のある方は定期的な健康診断を受けてください。
編集部まとめ

アルポート症候群は遺伝性が高い疾患で、ご家族に腎疾患歴がある患者さんが全体の90パーセントを占めています。
X染色体連鎖型では、末期腎不全を発症する年齢の中央値は男性が35歳、女性は60歳と大きな開きがあります。
本症候群の原因となる遺伝子は、X染色体のCOL4A5・COL4A3・COL4A4です。女性にはX染色体が2本ありますが、男性は1本です。
このため男性は重症化しやすく、女性はあまり重症化しない傾向があります。
本症候群は根治的な治療方法がないため、発症すると一生付き合わなければなりません。根本的な治療方法の確立が今後の課題です。