「アルポート症候群」の診断は何科に行くべき?検査法と治療法も医師が解説!
公開日:2026/03/04

アルポート症候群は遺伝しやすい病気です。発症者の90パーセントの方の家族が、腎臓に何らかの病歴があります。残りの10パーセントの方は、突発性の遺伝子異常と考えられてます。
アルポート症候群では血尿や蛋白尿といった症状が出るため、ご家族に腎疾患歴がある方は定期的な尿の検査が大切です。
難病に指定されているアルポート症候群の診断や治療方法について詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『遺伝しやすい「アルポート症候群」の症状・発生率はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。
アルポート症候群の診断や治療方法

何科を受診したらよいですか?
本症候群は、内科または腎臓内科を受診してください。腎臓の障害が進行すると末期腎不全になり、血液透析・腹膜透析や腎臓移植が必要です。できれば一般の内科より、より専門的な腎臓内科の受診をおすすめします。
アルポート症候群はどのように診断されますか?
本症候群は、家族の病歴や腎生検の結果などにより診断されます。本症候群の診断基準は以下の通りです。
- 尿検査の異常
- 家族の腎臓病歴
- 腎生検での基底膜の特徴的な異変
- 4型コラーゲン遺伝子(COL4A5・COL4A3・COL4A4)の異変
- 進行性の難聴
- 円錐水晶体・水晶体脱臼・皮質部白内障の有無
これらの基準から本症候群と診断され、蛋白尿が見られる場合は可及的速やかに治療を受けてください。
治療する方法はありますか?
本症候群は、根治的治療法が確立されていません。治療目標は症状の進行を妨げ、末期腎不全を防ぐことになります。治療開始の時期は、血尿に加えて蛋白尿が検出され始める頃が一般的です。
治療ではアンジオテンシン変換酵素阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬を服用し、腎機能の低下を妨げます。末期腎不全まで進行してしまった場合は、血液透析・腹膜透析・腎移植といった代替療法を行います。
腎移植には生体腎移植と献腎移植があり、多くの場合に実施するのは親から子への生体腎移植です。献腎移植は移植を希望する患者数に対しドナー(腎臓提供者)数が少なく、移植を希望してから平均15年程度の待機期間が発生します。
このため家族からの提供が望める生体腎移植が、全腎移植の85パーセントを占めています。
治療ではアンジオテンシン変換酵素阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬を服用し、腎機能の低下を妨げます。末期腎不全まで進行してしまった場合は、血液透析・腹膜透析・腎移植といった代替療法を行います。
腎移植には生体腎移植と献腎移植があり、多くの場合に実施するのは親から子への生体腎移植です。献腎移植は移植を希望する患者数に対しドナー(腎臓提供者)数が少なく、移植を希望してから平均15年程度の待機期間が発生します。
このため家族からの提供が望める生体腎移植が、全腎移植の85パーセントを占めています。
編集部まとめ

アルポート症候群は遺伝性が高い疾患で、ご家族に腎疾患歴がある患者さんが全体の90パーセントを占めています。
X染色体連鎖型では、末期腎不全を発症する年齢の中央値は男性が35歳、女性は60歳と大きな開きがあります。
本症候群の原因となる遺伝子は、X染色体のCOL4A5・COL4A3・COL4A4です。女性にはX染色体が2本ありますが、男性は1本です。
このため男性は重症化しやすく、女性はあまり重症化しない傾向があります。
本症候群は根治的な治療方法がないため、発症すると一生付き合わなければなりません。根本的な治療方法の確立が今後の課題です。