全身の炎症「サルコイドーシス」は治らない? 検査と治療法も医師が解説!
公開日:2026/02/06

サルコイドーシスは、多臓器に病変をつくる原因不明の全身性炎症性の病気です。
肉芽腫と呼ばれるしこりを多臓器に形成して多様な症状を引き起こしますが、原因が特定されないので治療法がしっかりと確立していません。
どのような病気なのか今一つわかりにくい方もいると思いますので、今回はサルコイドーシスについてご紹介いたします。
※この記事はメディカルドックにて『「サルコイドーシス」の症状・原因・診断基準はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
矢富 正徳(医師)
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東京医科大学病院
保有免許・資格
日本耳鼻咽喉科学会認定専門医
日本耳鼻咽喉科学会認定指導医
日本睡眠学会認定睡眠専門医
日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
難病指定医
身体障害者福祉法第15条指定医
保有免許・資格
日本耳鼻咽喉科学会認定専門医
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日本睡眠学会認定睡眠専門医
日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
難病指定医
身体障害者福祉法第15条指定医
サルコイドーシスの診断基準と治療方法

サルコイドーシスの診断基準を教えてください。
本疾患は多臓器に起こり、症状・所見がさまざまであるため、全身を診察して総合的な判断を行う必要があります。診断は原則として「サルコイドーシスの診断基準(2015年)」に従って行い、組織診断群・臨床診断群の2つの基準に沿って診断します。組織学的に肉芽腫を明らかにして、2臓器以上の多臓器に病変が確認されることが重要です。肉芽腫が明らかとなれば組織診断群として診断されます。肉芽腫が明らかでない場合は、臨床診断群で診断します。
呼吸器・眼・心臓の3臓器のうち2臓器以上に強く疑わしい臨床所見が認められ、さらに両側肺門縦隔リンパ節腫脹・血中アンギオテンシン変換酵素(ACE)上昇・尿中カルシウムの高値・ツベルクリン反応など特徴的な検査所見の5項目中2項目以上が陽性である場合に診断されるケースが多いです。
呼吸器・眼・心臓の3臓器のうち2臓器以上に強く疑わしい臨床所見が認められ、さらに両側肺門縦隔リンパ節腫脹・血中アンギオテンシン変換酵素(ACE)上昇・尿中カルシウムの高値・ツベルクリン反応など特徴的な検査所見の5項目中2項目以上が陽性である場合に診断されるケースが多いです。
どのような検査を行いますか?
検査は、血液検査・尿検査・生理検査・画像検査・気管支鏡検査などです。
血液検査では、一般血液・肝機能・腎機能に加え、活動性の指標として重要な血中アンギオテンシン交換酵素(ACE)・リゾチームなどの酵素値上昇の有無、尿検査では尿中カルシウム高値の有無を確認します。生理検査は肺機能検査・心エコー・心電図などです。画像検査には、胸部レントゲン・ガリウムシンチグラムがあり、これらで病変拡大の有無・活動性がわかります。
また、肺サルコイドーシスが疑われる際には気管支鏡で肺胞を洗い、洗浄液中の成分を調べて診断に役立てます。
血液検査では、一般血液・肝機能・腎機能に加え、活動性の指標として重要な血中アンギオテンシン交換酵素(ACE)・リゾチームなどの酵素値上昇の有無、尿検査では尿中カルシウム高値の有無を確認します。生理検査は肺機能検査・心エコー・心電図などです。画像検査には、胸部レントゲン・ガリウムシンチグラムがあり、これらで病変拡大の有無・活動性がわかります。
また、肺サルコイドーシスが疑われる際には気管支鏡で肺胞を洗い、洗浄液中の成分を調べて診断に役立てます。
治療方法を教えてください。
原因不明の疾患であるため、現状では根治療法はありません。症状が軽く自然治癒が期待される場合には、経過観察として治療を行わないケースもあります。しかし症状の進行・検査値の大きな異常が認められ、日常生活に支障をきたしていたり、将来的に生命に危険が及んだりする場合には治療が行われます。
治療は主に投薬で、サルコイドーシスの病態に基づいて最も選ばれるのがステロイドです。しかし、再発・難治する場合も多く、二次治療薬としてメトトレキセート・アザチオプリンなどの免疫抑制剤も使用するのが一般的です。
治療は主に投薬で、サルコイドーシスの病態に基づいて最も選ばれるのがステロイドです。しかし、再発・難治する場合も多く、二次治療薬としてメトトレキセート・アザチオプリンなどの免疫抑制剤も使用するのが一般的です。
サルコイドーシスは治りますか?
サルコイドーシスは自然治癒する症例もあれば、治療を行っていても悪化する症例もあり、経過が大変幅広いのが特徴です。経過は、2年以内に軽快する短期改善型・2〜5年の経過をたどる遷延型・5年以上の経過となる慢性型・難治型にわけられます。
無症状の患者の70〜80%は自然に改善する場合が多いのですが、多臓器に病変がある症例の場合は慢性型になることも少なくありません。さらに肺線維進行例・心臓病変合併例などでは、難治化して予後が悪くなる場合もあります。
しかしながら、死亡例は少ない病気です。全体的な死亡率は低いですが、心臓サルコイドーシスは5年での死亡率が25%あるという報告もあり注意が必要です。
無症状の患者の70〜80%は自然に改善する場合が多いのですが、多臓器に病変がある症例の場合は慢性型になることも少なくありません。さらに肺線維進行例・心臓病変合併例などでは、難治化して予後が悪くなる場合もあります。
しかしながら、死亡例は少ない病気です。全体的な死亡率は低いですが、心臓サルコイドーシスは5年での死亡率が25%あるという報告もあり注意が必要です。
編集部まとめ

原因不明の多臓器疾患であるサルコイドーシスについてご紹介しました。
「原因不明」「多臓器」と聞くと、悪性の病気を想像してしまう方もいるかもしれません。
しかし、この記事を最後まで読んでいただいて、自然治癒する症例の多い怖くない病気であることがおわかりいただけたと思います。
原因不明で1人1人発症パターンも異なるので予防などは難しいですが、気になる症状がある場合には早めに受診して、専門医の診断を受けましょう。