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「下肢静脈瘤」を放置するとどんなリスクが伴う?予防法も解説!【医師監修】

 公開日:2025/02/24

「最近足がだるい」「よく足がつる」「足のむくみがひどい」など、足のトラブルに悩まされたことがないという方はほとんどいないと思います。

そういった症状が出たとき、多くの方は「この程度は誰だってなるものだ」と考え誰にも相談することなく我慢してしまっているのではないでしょうか。

しかしそのような一見誰にでも起こりうるちょっとした症状の陰に、「下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)」という病気が潜んでいることがあるのです。

この下肢静脈瘤、場合によっては手術が必要になる重大な病気です。この記事で詳しく解説しますので思い当たる方は是非参考にしてください。

※この記事はMedical DOCにて『「坐骨神経痛」とは?症状・原因・治療方法も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

プロフィールをもっと見る
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

下肢静脈瘤を放置するリスクと予防

膝が痛いビジネスマン

下肢静脈瘤を放置するリスクを教えてください。

下肢静脈瘤は良性の病気ですので、放置したからといって急激に悪化したり命にかかわるような事態に直接結びつくことはありません
しかしながら倦怠感やむくみといった症状は消えませんし、場合によっては湿疹・色素沈着・皮膚の潰瘍にまで発展する可能性がありますので決して軽視していいものでもありません。

下肢静脈瘤と診断された場合にやってはいけないことはありますか?

まずは長時間の立ちっぱなし、座りっぱなしを避けましょう。
また医療用の弾性ストッキングと市販の着圧ストッキングは圧力そのものやかかる部位など全くの別物です。そもそも他の疾患などの条件によって着用の可否が決まるものですので、必ず医師の処方を受けなければいけません。
また着用方法についても正しく行わなければかえって症状を悪化させることにも繋がりかねませんので、くれぐれも自己判断で着用するような事は避けて下さい。

下肢静脈瘤の予防方法を教えてください。

これまで解説してきた「発症の原因」・「なりやすい方」・「やってはいけないこと」の裏返しであり、具体的には以下の4つになります。

  • 適度な運動により足の筋肉を鍛え、血流を促す力を強化する
  • 長時間の立ちっぱなしや座りっぱなしを避け、やむを得ない場合は足踏みやかかとの上げ下げ、ふくらはぎのマッサージなどを行う
  • 休憩時や就寝時に足を心臓より高くする
  • バランスのとれた食事により肥満や便秘を改善する

ぜひ日頃から意識して予防に努めてください。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

下肢静脈瘤の予防や症状改善というのは生活習慣の改善そのものです。他の様々な疾患を予防するためにも、積極的に取り組んで頂くことをおすすめします。また下肢静脈瘤はそれだけですと症状が限定的であるため、どうしても受診を後回しにしてしまいがちです。
しかし重症化してからの治療となればそれだけ内容が複雑化しますし、手術の難度も上がってしまいます。「怪しいな」と思ったらまずは受診することが肝要です。

編集部まとめ

足が痛くなってしまった女性
足のだるさやむくみというのは特に女性であれば誰もが当たり前に付き合って生きているものですが、それが下肢静脈瘤ともなれば血管が浮き出たり色素沈着や潰瘍などといった美の大敵に変化します。

そうならないためにしっかり予防ができればそれに越したことはないのですが、立ち仕事や運動不足・不規則な生活など避けることができないという方もいらっしゃるでしょう。

大切なのはときどきでいいので自分の足をしっかりマッサージしてあげて、下肢静脈瘤の兆候を発見したらためらわずにまずは一度専門医を訪ねることです。

本記事が一人でも多くの悩みを取り除けますよう祈っております。

この記事の監修医師

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