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「下肢静脈瘤」の初期症状・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?

 公開日:2025/01/23

「最近足がだるい」「よく足がつる」「足のむくみがひどい」など、足のトラブルに悩まされたことがないという方はほとんどいないと思います。

そういった症状が出たとき、多くの方は「この程度は誰だってなるものだ」と考え誰にも相談することなく我慢してしまっているのではないでしょうか。

しかしそのような一見誰にでも起こりうるちょっとした症状の陰に、「下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)」という病気が潜んでいることがあるのです。

この下肢静脈瘤、場合によっては手術が必要になる重大な病気です。この記事で詳しく解説しますので思い当たる方は是非参考にしてください。

※この記事はMedical DOCにて『「下肢静脈瘤」を疑う初期症状・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

下肢静脈瘤の症状となりやすい方

下肢静脈瘤

下肢静脈瘤はどのような病気ですか?

「下肢」とは足のことであり、「静脈」は臓器や筋肉などを通った血液を心臓に送る血管を差します。また「瘤」は「こぶ」とも読むことから、つまり「下肢静脈瘤」とは「足の静脈に瘤ができる病気」を意味します。

症状を教えてください。

下肢を流れる静脈には比較的皮膚の近くを流れる「表在静脈」と筋肉の奥など深いところを流れる「深部静脈」の2種類があり、このうち静脈瘤を発症するのは「表在静脈」の方です。このため拡張・蛇行した静脈が皮膚に浮き上がるような症状がみられます。

発症の原因を教えてください

心臓の力で強力に押し流される動脈に対し、静脈にはポンプにあたる機能が存在しません。それでは足先まで届けられた血液はどのようにして重力に逆らい心臓に届けられるのでしょうか。
その答えは「逆流防止弁」「筋肉の力」にあります。静脈のところどころに備わっている弁が血液の逆流を防止しつつ、周囲の筋肉がポンプのように動くことで血液を心臓に送り届けているのです。
しかしときに、この弁が何らかの原因で壊れることがあります。この状態は「弁不全」と呼ばれ、その結果重力に従って下方向に逆流した血液が血管の中に溜まってしまいます。これが下肢静脈瘤の正体です。

下肢静脈瘤はどのような方がなりやすいのでしょうか?

下肢静脈瘤を発症しやすい方というのは、つまり弁不全が発生しやすい方です。ではその原因ですが、実は現在も明らかにはなっていません。
ただし中高年の女性・長時間におよぶ立ちっぱなしの仕事・肥満・妊娠後といった特徴に当てはまる方に多い傾向があります。また遺伝的な要素がある可能性も指摘されています。

編集部まとめ

足が痛くなってしまった女性
足のだるさやむくみというのは特に女性であれば誰もが当たり前に付き合って生きているものですが、それが下肢静脈瘤ともなれば血管が浮き出たり色素沈着や潰瘍などといった美の大敵に変化します。

そうならないためにしっかり予防ができればそれに越したことはないのですが、立ち仕事や運動不足・不規則な生活など避けることができないという方もいらっしゃるでしょう。

大切なのはときどきでいいので自分の足をしっかりマッサージしてあげて、下肢静脈瘤の兆候を発見したらためらわずにまずは一度専門医を訪ねることです。

本記事が一人でも多くの悩みを取り除けますよう祈っております。

この記事の監修医師