「アニサキス」による食中毒が重症化するとどうなるかご存知ですか?医師が監修!
アニサキスとは、海産魚介類に起因する寄生虫の一種です。アニサキスが体内に入ってしまうことで、食中毒を起こしてしまいます。
アニサキスが原因の食中毒は非常に多く、全体のおよそ40%という報告があります。魚介類を多く食事に用いる日本人にとって、大いに注意するべき寄生虫といえるでしょう。
今回は、アニサキスとはどのようなものであるのかを解説をします。アニサキスを多く保有する魚・診療を受けるべき症状などについても解説します。
アニサキスを起因にした食中毒は、十分に対策を取れれば大部分の発症を防げるため、ぜひ今回ご紹介する内容を参考にしてみてください。
※この記事はMedical DOCにて『「アニサキス」に寄生されると現れる症状・多い魚はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
目次 -INDEX-
アニサキスの受診と治療
受診を検討するべき症状はありますか?
アニサキスは一定期間を経過すると自然に消滅することがわかっていますが、場合によっては激しい症状がしばらく継続するため、できるだけ早く医療機関で受診をして治療を受けるのが良いでしょう。
アニサキスによる食中毒が重症化するとどうなりますか?
食中毒の影響で炎症を起こし、重症化するかもしれません。症状の進行具合によっては、外科手術を行わなければならなくなるケースもあるため、症状がみられたら早めに医療機関に相談するのが良いでしょう。
検査方法を教えてください。
みぞおち周辺の痛みが出てからまだ時間があまり経っていないタイミングであれば、アニサキスが胃の中にとどまっているケースが多いです。このため、上部内視鏡検査を行なって胃の粘膜の状況を直接観察して確認する事例もあります。
どのような治療を行うのでしょうか?
しかし腸に移動してしまった場合には、内視鏡による除去はできません。この場合は、内服薬などで症状を抑えながら、アニサキスが消滅するのを待ちます。この病気を治療する薬品は、今のところありません。
編集部まとめ
アニサキスは、食中毒を引き起こす寄生虫の一種です。生鮮魚介類の内臓に生息していることが多いため、魚介類を多く食材にする日本人にとっては罹患のリスクが高い病気といえるでしょう。
刺身など、生の状態で魚介類を楽しむときには特に注意しないといけません。購入後、早めに内臓を除去したり、鮮度を保ったまま持ち運んだりして、基本的な予防方法を忘れないようにしましょう。
アニサキスによる食中毒は、時間経過で症状が緩和すると考えられていますが、場合によっては重症化のリスクもあり得るため、できるだけ早く専門医に相談することをおすすめします。