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「アニサキス」に寄生されると現れる症状・放置するとどうなるかご存知ですか?

 公開日:2024/06/14
「アニサキス」に寄生されると現れる症状・多い魚はご存知ですか?医師が監修!

アニサキスとは、海産魚介類に起因する寄生虫の一種です。アニサキスが体内に入ってしまうことで、食中毒を起こしてしまいます。

アニサキスが原因の食中毒は非常に多く、全体のおよそ40%という報告があります。魚介類を多く食事に用いる日本人にとって、大いに注意するべき寄生虫といえるでしょう。

今回は、アニサキスとはどのようなものであるのかを解説をします。アニサキスを多く保有する魚・診療を受けるべき症状などについても解説します。

アニサキスを起因にした食中毒は、十分に対策を取れれば大部分の発症を防げるため、ぜひ今回ご紹介する内容を参考にしてみてください。

※この記事はMedical DOCにて『「アニサキス」に寄生されると現れる症状・多い魚はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

アニサキスとは?

腹痛のイメージ

アニサキスは食中毒の一種だと聞きましたが…。

正確には、アニサキスという名称自体が食中毒を指すわけではありません。アニサキスとは、生鮮魚介類に生息する寄生虫です。線虫と呼ばれる寄生虫の一種で、長さ2~3cm程度、幅は0.5~1mm程度の大きさになります。
少し太めの白色の糸のような形状で、寄生した生鮮魚介類を食べることで体内に入り込む寄生虫です。
体内に入ったアニサキスは、人の胃壁や腸壁に刺入してアニサキス症と呼ばれる食中毒を引き起こしてしまいます。日本は、昔から生鮮魚介類を生で食べる文化があるため、アニサキスを原因とする食中毒が多いと考えられています。

アニサキスが多い魚を教えてください。

アニサキスが多くいると考えられているのは、生鮮魚介類のうち、加熱・冷凍処理をしない食材です。
サバ・サンマ・アジ・イワシ・ヒラメ・サケ・カツオ・イカなどの魚の内臓に寄生しているケースが多いと考えられています。また、しめさばなど冷凍処理をしていない加工食品にも存在するケースも多いです。
アニサキスは、生鮮魚介類の内臓部分に寄生していますが、時間経過や食材の鮮度の低下により可食部である筋肉部分に移動することがわかっています。

どのような症状がみられますか?

アニサキスを体内に取り込んでしまうと、急性胃アニサキス症及び急性腸アニサキス症の症状を引き起こしてしまうケースが多いです。
急性胃アニサキス症は、食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み・悪心・嘔吐を引き起こします。急性腸アニサキス症では、食後十数時間後から数日後に、激しい下腹部痛・腹膜炎症状がみられます。
発症例としては急性胃アニサキス症が多いため、食後数時間で腹部に違和感を覚えた場合は、早めに専門医に相談してください。

アニサキスは胃の中で何日くらい生きているのでしょうか?

アニサキスを体内に取り入れてしまってから症状がみられるまでの潜伏期間は、早くて1時間程度、遅ければ36時間程度と考えられています。およそ70%の確率で8時間以内に症状が発現するとの報告があります。
アニサキスは、原因となる食事をしてからおよそ1~3週間で消化管内から自然に消失するのが一般的です。アニサキス1匹で症状を発現することがわかっているため、注意する必要があります。

放置しても問題ないのでしょうか?

前述のように、アニサキスは1週間程度で自然に消化管内から消失するため、放置していてもいずれ症状は改善されるでしょう。
しかし、場合によってはアニサキスが胃腸の粘膜に食いついて胃腸に穴が開いたり、炎症がひどく重症化したりする可能性があります。
アニサキスによる食中毒に罹患した場合は、早めに専門医に相談することをおすすめします。受診するのは、内科・消化器科が良いでしょう。

編集部まとめ

手を広げリフレッシュするビジネスマン
アニサキスは、食中毒を引き起こす寄生虫の一種です。生鮮魚介類の内臓に生息していることが多いため、魚介類を多く食材にする日本人にとっては罹患のリスクが高い病気といえるでしょう。

刺身など、生の状態で魚介類を楽しむときには特に注意しないといけません。購入後、早めに内臓を除去したり、鮮度を保ったまま持ち運んだりして、基本的な予防方法を忘れないようにしましょう。

アニサキスによる食中毒は、時間経過で症状が緩和すると考えられていますが、場合によっては重症化のリスクもあり得るため、できるだけ早く専門医に相談することをおすすめします。

参考文献