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10万に1人程度しか発症しない「食道アカラシア」の初期症状とは?医師が解説!

 公開日:2026/01/20
10万に1人程度しか発症しない「食道アカラシア」の初期症状とは?医師が解説!

食道アカラシアは、食べ物が飲み込みにくくなる病気です。食道の神経に異常が生じ、食べ物を胃に送ることが正常に行えなくなります。

発症頻度が非常に低いため、この病気に関する知識をもっている方は多くないでしょう。

本記事では、食道アカラシアについて詳しく解説しています。

※この記事はメディカルドックにて『「食道アカラシア」を疑う初期症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

食道アカラシアの特徴

家にいる高齢者の男性(首・喉)

食道アカラシアの特徴を教えてください。

食道アカラシアは、食べ物が飲み込みにくくなる病気です。食道は口・喉と胃をつなぐ臓器で、食事の際は食べ物の通り道になります。
しかし、ただの通り道ではありません。食事をすると食道が伸びたり縮んだりする蠕動運動(ぜんどううんどう)と呼ばれる力が働き、食べ物を胃に送ることを助けます。また、食道と胃のつなぎ目には、下部食道括約筋という筋肉が存在しています。
この筋肉は、弁のような役割をもつことが特徴です。空腹時に閉じ、飲食を行う際に開く働きがあります。しかし、食道アカラシアを発症すると、筋肉の弛緩が上手く働かなくなります。
それが原因で蠕動運動や下部食道括約筋が正常に機能せず、食べ物が食道を通りにくくなるのです。アカラシアとは、ラテン語で「動かない」を意味する言葉です。食道の筋肉が動きにくくなることから、この病名がつけられました。

どのような症状がみられますか?

食べ物が飲み込みにくくなるため、食後に喉のつかえ感が生じます。病状が進行すると、吐き気や嘔吐が伴うケースもあります。嘔吐は横になった状態の時に発生しやすいです。食後に就寝すると、逆流した食べ物が寝具に吐き出されることがあります。
また、食べ物が十分に摂取できなくなるため、体重の減少も生じやすいです。胸痛や胸やけなどの症状がみられることもあります。時には喘息のような咳の症状が現れます。さらに、肺炎などの呼吸器合併症が発症する可能性があるため、注意が必要です。

発症の原因を教えてください。

筋肉が上手く機能しなくなる原因は、消化管の神経が障害されることにあります。しかし、神経に異常が起きる原因は明確になっていません。考えられる原因としては、遺伝・細胞の変性・感染などが挙げられます。
発症頻度は非常に低く、10万人に1人程度です。発症のしやすさに男女の差はほとんどありませんが、女性の方がやや発症しやすいとされています。また、20〜60代以降までの幅広い年齢層で発症します。まれに小児でも発症する病気です。

受診を検討するべき初期症状はありますか?

食道アカラシアの初期症状としては、食べ物が上手く飲み込めないことによるつかえ感が挙げられます。食べ物が飲み込みにくいなどの違和感が続くようであれば、医療機関への受診を検討してみましょう。
食道アカラシアは、呼吸器合併症が生じる可能性のある病気です。また、正常な人に比べて食道がんの発症リスクも30倍ほど高いとされています。そのため、病気を早期発見して治療に取り組むことが大切です。
ただし、発症頻度が低い病気であるため、なかなか診断がつきにくいケースもあります。

編集部まとめ

説明する医師の手元
食道アカラシアは、食道の蠕動運動が上手く機能しなくなったり、食道と胃の接合部が狭くなったりする病気です。これによって、食べ物が飲み込みにくくなります。

症状として、つかえ感や嘔吐が挙げられます。また、胸やけ・胸痛・咳などの症状がみられる場合もあるでしょう。呼吸器合併症が生じるケースもあります。

食べ物の飲み込みにくさなどが続くのであれば、医療機関を受診してみましょう。食道造影検査や内視鏡検査などを実施し、病気の診断を行います。

食道アカラシアの根治的な治療方法はありません。しかし、適切な治療を行うことで、症状の改善が期待できます。医師と相談して、病状に合った治療に取り組みましょう。

また、発症した場合には食事に注意することも大切です。悪化につながる食べ物は避け、症状の改善を目指していきましょう。

この記事の監修医師

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