受診すべき「涙腺がん」の”4つの初期症状”とは?検査と治療法を医師が解説!

涙腺とは、涙を作り目の表面の細胞の保護・栄養・洗浄などの役割がある非常に重要な腺です。
涙腺を作る細胞ががん化することによって涙腺がんになってしまいます。
涙腺がんの初期症状は痛みが無いこともあり、受診を先延ばしにしてしまう場合がほとんどです。
しかし、症状が進行してしまうと手術が困難になってしまったり、最悪の場合視力を失ったりする場合もあるのです。
今回の記事では、涙腺がんの受診を検討するべき初期症状・治療方法を詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「涙腺がん」の初期症状・原因・早期発見のポイントはご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
涙腺がんの治療方法

受診を検討するべき初期症状を教えてください。
- 上まぶたの腫れ
- 眼球突出
- 眼球の変位
- 複視
涙腺にできたがんによって、上まぶたの外側に腫れ・しこりを感じることが多いです。他に腫瘍による眼球突出がみられたり、眼球の位置異常がみられたりしたら受診をおすすめします。
また、涙腺がんの初期症状は痛みが無い場合もあるため、自分では気づきにくく放置されがちです。眼球突出・眼球の位置異常・まぶたの腫れなど外見上の変化に気づいたら受診を検討しましょう。
どのような検査で診断されるのでしょうか?
- CT検査
- MRI検査
- 眼科検査
- 採血
- PET-CT
CT・MRI検査では、涙腺がんの大きさ・部位などを調べます。他にがん細胞を栄養する血管・腫瘍の種類を調べるために造影MRI検査が行われています。
次に眼科検査では、視力検査・眼圧検査・眼球突出度検査・眼位検査などを行い、視力や機能に問題が無いかを確認するのです。さらに眼球運動に異常が無いか調べるための検査が行われる場合もあります。
また採血では、悪性リンパ腫やlgG4関連疾患があるかどうかを調べることができます。
最後にPET-CTでは、腺様嚢胞癌などの悪性度の高いがんを疑う場合に行われる検査で、全身転移の有無を調べるために行われます。
涙腺がんの治療方法を教えてください。
- 摘出手術
- 抗がん剤治療
- ステロイド剤投与
- 放射線治療
腫瘍が良性の場合などは摘出手術が基本になります。しかし、涙腺の周辺は狭い場所に血管や神経などが密集しているため、難しい手術になる場合もあります。例えば、腫瘍が悪性リンパ腫の場合は、抗がん剤治療や放射線治療などが主になります。
lgG4関連疾患の場合は、ステロイドの全身投与が行われるのです。多形腺腫の場合は、摘出手術が主になります。腺様嚢胞癌の場合は、摘出手術と重粒子線治療という特殊な放射線治療が行われる場合もあります。
このように涙腺がんの治療は腫瘍を生検して種類を判別してから、適切な治療が選択されているのです。
編集部まとめ

ここまで涙腺がんの特徴・症状・原因・受診を検討するべき初期症状・治療方法・後遺症などを解説しました。
涙腺がんは、普段から健康に気を使っていたとしても、幅広い年齢の方にかかる可能性がある病気です。
初期症状は痛みが無い場合があり、軽いまぶたの外側の腫れや眼球突出などでは受診をためらってしまう方も多いと思います。
しかし、重症化してしまうと治療が困難になったり、視力が落ちてしまったりする場合があります。
そのため涙腺がんの初期症状に早く気づき、初期の段階で治療することが重要になります。
気にある症状がある方はなるべく早めにお近くの眼科を受診しましょう。
参考文献