1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 「虫垂がん」の予後はご存知ですか?ステージ分類や生存率も解説!【医師監修】

「虫垂がん」の予後はご存知ですか?ステージ分類や生存率も解説!【医師監修】

 公開日:2025/02/19

虫垂とは、盲腸からしっぽのように突出した管状の部位のことです。

虫垂がんの初期は症状がほとんどなく、気づいて病院に行く頃には、かなり進行してしまう非常に厄介な病気になります。

虫垂がんは、大腸がんの中では稀な病気ですが、治療後の5年生存率が61.6〜64.0%といわれています。

虫垂がんの生存率は、他の大腸がんである結腸がんや直腸がんと比べると、やや予後不良な傾向にあるのです。

今回の記事では、虫垂がんの予後について解説します。

気になる症状のある方は、お近くの医療機関にご相談ください。

※この記事はMedical DOCにて『「虫垂がん」になると現れる症状や原因はご存知ですか?ステージについても解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

プロフィールをもっと見る
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

虫垂がんの予後

医師

虫垂がんは治る病気でしょうか?

転移のない虫垂がんで、摘出手術などでがんを除去できれば完治も目指せます。しかし、症状に気づかず放置すると重症化し、場合によっては重篤な状態になってしまう場合もあるのです。
重篤な状態にならないためには、規則正しい食事・運動・禁煙などで病気を予防する必要があります。また、初期にほぼ自覚症状のない病気のため、定期的な検診を受けることも重要です。

虫垂がんのステージと生存率を教えてください

虫垂がんの病期によるステージは以下の通りです。

  • ステージ0:がんが大腸粘膜内に留まるもの
  • ステージ1:がんが固有筋層までに留まるもの
  • ステージ2:がんが漿膜下層を超えて浸潤しているもの
  • ステージ3:癌の深さに関わらず、リンパ節への転移を認めるもの
  • ステージ4:癌の深さやリンパ節転移に関わらず、他臓器への転移を認めるもの

ステージは上記の5段階があり、0が軽症で4が最も重症になります。ポイントとなるのが、リンパ節転移の有無です。いくらがんのサイズが小さくても、リンパ節転移があると問答無用でステージ3になってしまいます。虫垂がんを含めた大腸がんのステージはこのように分類されているのです。
そして、虫垂がんの治療後の5年生存率は61.6〜64.0%といわれています。この生存率は、結腸がんや直腸がんと比べると、やや予後不良とされています。
虫垂がんが他の大腸がんとくらべて予後不良な理由として、通常の大腸がんと同じ性質を持った腺がん以外にも、粘液を産生する「粘液がん」などの異なる種類があることが挙げられます。このようにがんの種類が複数あると、それらにあわせた抗がん剤治療も必要になることから、困難な治療になる場合が多いです。
このように虫垂がんは、大腸がんの中では生存率の低いがんといわれているのです。

再発することもあるのでしょうか?

虫垂がんは再発することもあります。他の大腸がんの種類である結腸や直腸がんに比べると生存率が低く、再発も多いのです。
再発の予防には、日々の生活習慣の見直しと定期的な検診が重要になります。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

虫垂がんの初期は自覚症状がなく、重症化するまで気が付かない病気です。そして、大腸がんの中では生存率の低いがんといわれています。
そのため、虫垂がんは予防・早期発見・早期治療が重要になるのです。予防するには、日々の生活習慣の見直しと定期的な検診が重要になります。
虫垂がんを予防し、健康的な生活を1日でも長く過ごしましょう。

編集部まとめ

笑顔の女医
ここまで、虫垂がんの症状・原因・なりやすい方の特徴・初期症状・検査・治療方法・予後について解説しました。

虫垂がんの初期はほとんど症状がなく、進行していくと右下腹部の違和感・痛み・しこりを感じるようになります。

発症には喫煙・飲酒・肥満・運動不足・食生活との関連が大きく、予防のためには、生活習慣を見直す必要があります。

また、発症には遺伝的な要素もあり、家族の病歴に大腸がんなどがあったら注意が必要です。

虫垂がんは、40〜70代に発症する場合が多いので、そのくらいの年齢になったら定期的な検診が必要になります。

このような日常生活の見直しと定期的な検診を受けることによって、虫垂がんを予防または早期発見することが大切です。

この記事の監修医師

注目記事