「インスリノーマ」の低血糖は“膵臓の腫瘍”で起きる? 診断と治療を医師が解説!

インスリノーマとは、膵臓にできた腫瘍によって、低血糖状態になる病気です。頭痛・発汗・手のふるえなどの様々な症状が表れます。
インスリノーマの原因は現在のところ不明で、病気の性質から予防が困難な病気になりますが、膵臓にできた腫瘍が良性の場合は摘出手術で改善が期待できます。
しかし、腫瘍が悪性だった場合は予後が不良で、生存率も低いといわれているのです。
今回記事では、インスリノーマの検査・治療方法を解説します。気になる症状のある方は、お近くの医療機関にご相談ください。
※この記事はメディカルドックにて『「インスリノーマ」を発症すると現れる症状・原因・何科を受診するべきかご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
目次 -INDEX-
インスリノーマの治療方法

インスリノーマを疑う場合、何科を受診しますか?
- 内分泌科
- 消化器内科・外科
- 代謝内科
内分泌科とは、主にホルモンによる異常が原因の病気を専門に診ている診療科になります。そして消化器内科・外科は、口から肛門までの消化管の病気が専門になります。また代謝内科は、内分泌系の疾患だけでなく、糖尿病・糖尿病・脂質異常症・メタボリックシンドロームなどの生活習慣病なども専門領域です。
他に、高齢者に多い骨粗鬆症なども対象になります。インスリノーマは、これらの診療科で対応してもらえるので、気になる症状のある方はご相談ください。
どのような検査で診断されるのでしょうか?
- 血液検査
- 画像検査
- 選択的動脈内刺激物注入検査
血液検査では、空腹時の血糖値・インスリン値・C-ペプチド値を調べます。インスリノーマの患者の場合は、血糖値が低いときに、インスリン値・C-ペプチド値が高くなるのが特徴です。そして、画像検査では膵臓にできた腫瘍の大きさ・部位・転移の有無などを調べます。
次に、選択的動脈内刺激物注入検査とは、腫瘍のサイズが小さくて画像診断では確認しにくい場合に用いられます。膵臓の近くの動脈にカテーテルを通し、腫瘍がどこの血管から栄養を得ているのかを判断するのです。
インスリノーマの診断基準を教えてください。
- 低血糖状態になること
- インスリンの異常な過剰分泌が確認できること
- 膵臓に腫瘍があること
空腹時や症状が出でいるときの血糖値を調べることにより、低血糖状態になるかどうかが判断できます。また、インスリンの過剰分泌があることも、検査を行うことにより判断できるのです。
また、膵臓の腫瘍は画像診断や選択的動脈内刺激物注入検査を行うことにより確認できます。インスリノーマは、このような基準で診断されているのです。
インスリノーマの治療方法を教えてください。
- 膵臓の腫瘍の切除
- ブドウ糖液による対症療法
- 低血糖発作時の薬物療法
- 食事指導
インスリノーマを根本的に解決する治療方法は、膵臓にできた腫瘍の切除です。良性腫瘍の場合は、そのまま腫瘍のみの摘出になります。しかし、悪性の腫瘍と疑われる場合は、その周辺のリンパ・血管・臓器も一緒に摘出する必要がでてきます。
そして、対症療法としてはブドウ糖液・ジアゾキシドオクトレオチド・エベロリムスなどの薬剤を投与して、症状を緩和するのです。また、血糖値をコントロールするために食事指導を行い、低血糖発作を予防する治療法もあります。
インスリノーマの手術について教えてください。
そして膵臓は非常に重要な臓器なので、周辺の組織を傷つけないよう、慎重に腫瘍を摘出する必要があります。そのため、超音波検査で腫瘍の位置を確認しながら手術を行うこともあるのです。
また、転移や複数の腫瘍・周辺組織への浸潤などがある場合は、腫瘍だけでなく広い範囲の摘出が必要になります。
編集部まとめ

今回の記事では、インスリノーマの症状・原因・検査・治療方法・予後・予防を解説しました。
インスリノーマの症状は、低血糖による頭痛・発汗・手のふるえなど多岐にわたり、原因は膵臓にできた腫瘍がインスリンを過剰に分泌してしまうことです。
インスリノーマの根本的な治療は腫瘍の摘出であり、この腫瘍が悪性の場合予後は不要で、手術ができたとしても5年生存率が20~40%になるといわれています。
インスリノーマ発症の原因は現在のところわかっておらず、明確な予防方法はありません。
そのため早期発見・早期治療が重要になります。気になる症状のある方は、お近くの内分泌科・消化器内科・循環内科などにご相談ください。