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「耳下腺がん」は”耳の下の腫れ”と何で受診?手術や生存率を医師が解説

 公開日:2026/01/28
「耳下腺がん」は”耳の下の腫れ”と何で受診?手術や生存率を医師が解説

耳下腺がん(じかせんがん)とは、唾液腺がんの一種です。唾液腺がんの中では最も発生頻度が高いとされています。転移がみられるケースが多く、治療に時間がかかる場合が多い病気です。

耳下腺がんには初期症状がみられるので、違和感を覚えたら早めに医師に相談することが大切です。

今回は、耳下腺がんとはどのような病気なのか紹介をします。検査方法・ステージごとの生存率について解説をするので、ぜひ参考にしてみてください。

※この記事はメディカルドックにて『「耳下腺がん」を疑う初期症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

小島 敬史

監修医師
小島 敬史(国立病院機構 栃木医療センター)

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【経歴】
経歴
2006年3月 慶應義塾大学医学部医学科卒
2008年3月 佐野厚生総合病院 初期臨床研修修了
2008年4月 慶應義塾大学耳鼻咽喉科学教室所属
2013年9月 慶應義塾大学病院 助教として勤務
2018年8月 米国 ノースウェスタン大学耳鼻咽喉科で遺伝性難聴の基礎研究に従事
2021年5月〜 国立病院機構 栃木医療センター 耳鼻咽喉科医長 (現職)
【資格等】
日本耳鼻咽喉科学会専門医・指導医、日本耳科学会認定医、補聴器相談医、補聴器適合判定医
所属学会:日本耳鼻咽喉科学会、日本耳科学会、日本聴覚医学会、耳鼻咽喉科臨床学会

耳下腺がんの治療方法

白衣を着た男性

受診を検討するべき初期症状はありますか?

前述のように、耳の下あたりに腫れやしこりが感じられた場合には、耳下腺がんの可能性があります。特に、痛みを伴ったり、顔面の運動麻痺が起こったりする場合は悪性腫瘍ができている可能性があります。早めに医療機関への受診をするのが良いでしょう。
また、痛みがない場合は良性の腫瘍である可能性もありますが、悪性に変異する恐れを考慮して、医療機関に相談に行きましょう。まずはかかりつけの耳鼻咽喉科で受診をすると良いでしょう。
検査結果によって、より専門的な技術・知識のある医療機関を紹介してもらえます。

耳下腺がんの検査方法を教えてください。

耳下腺がんの検査には、超音波検査を用いた穿刺(せんし)吸引細胞診を実施するケースが多いです。穿刺吸引細胞診とは、細い注射針を患部に指して腫瘍細胞を吸引し、検査する方法になります。吸引した細胞の検査をして良性か悪性かの判断をします。
穿刺吸引細胞診だけで病状が確定できない場合やがんの転移の有無を確認するために、超音波検査を実施したり必要に応じてCT・MRIなどの画像検査を実施したりします。

どのような治療を行うのでしょうか?

耳下腺がんの治療は、手術による完全切除が一般的です。がんの進行度によって、切除する範囲を決定します。切除の範囲は、以下のようなケースが多いです。

  • 耳下腺浅葉切除術:表層(浅葉)のみ切除
  • 耳下腺全摘術:耳下腺の組織を全て切除する
  • 耳下腺拡大全摘術:耳下腺だけでなく下顎骨・側頭骨(耳の骨)・顔面皮膚なども併せて切除する

耳下腺の周囲組織の切除したことで欠損が大きくなる場合は、腹部や大腿部から皮膚や皮下脂肪を移植する遊離組織移植を実施します。転移の状況や術後の検体の検査結果によっては、追加で放射線治療を行うケースもあります。

耳下腺がんのステージごとの生存率を教えてください。

耳下腺がんのステージごとの5年生存率は、大阪医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科の発表した耳下腺がんの治療成績によるとステージIで100%・ステージⅡで97.7%・ステージⅢで71.6%・ステージⅣで51.6%となっています。
顎下腺がんと比べて高い生存率が報告されているため、決して治療できないがんではありません。ただし、唾液腺腫瘍は病理組織型という「がんのタイプ」が多数存在し、診断によって予後が大きく異なります。
同じように全摘できていると判断されたとしても、手術後に病理組織型に基づいて追加治療を要する場合もあります。もちろん、症状が進行する前に治療を開始した方が生存率は高くなるので、異常を感じたら早めに専門医に相談しましょう。

編集部まとめ

女性の耳
耳下腺がんは、唾液腺の一部である耳下腺に悪性腫瘍が発生する病気です。症例としては少なく、生存率も高めであるため早期に治療を開始すれば、治る可能性が高いといえるでしょう。

耳の下や前に腫れやしこりが見つかった場合は、耳下腺がんの可能性を疑って、早めに専門医の相談を受けることをおすすめします。

顔に腫れやしこりが発生する病気は耳下腺がん以外にも多くあるため、安易に自己判断をせず専門医の診断を受けて判断することが大切です。

手術を受けて治療を終えた後も、再発の可能性があるため油断せず定期的な検診を続けるのが良いでしょう。

この記事の監修医師

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