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初期症状がない「肺腺がん」を発見するには?治療法も医師が解説!

 公開日:2026/01/28
初期症状がない「肺腺がん」を発見するには?治療法も医師が解説!

肺腺がんは、肺がんの一種です。

芸能人の中で罹った方もおり、メディアに取り上げられる機会も増えたため聞いたことがある方も多いかもしれません。

初期症状がほとんどないので定期健診で見つかったり、たばこを吸っていない方・比較的若い方に発症したりするケースも多くみられます。

この記事では、肺腺がんとはどのような病気なのか、治療方法まで詳しく解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「肺腺がん」を発症すると現れる症状・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

肺腺がんの治療方法

看護師と入院患者

受診を検討するべき初期症状はありますか?

先述したように、肺腺がんは初期症状がほとんどありません。咳・痰が最も多い症状で、進行していくと、息切れ・呼吸困難・声のかすれ(嗄声)・胸痛・疲れやすさなどが出てきます。食欲不振・体重減少もみられるようになります。
これらの症状は、他の疾患でも現れる場合があるため、自己判断で症状を放置せずに早期発見のために受診することが大切です。肺腺がんは、肺がんの中でも特になかなか症状が出ないため、検診・人間ドックなどで発見されるケースも多いです。したがって、定期的な検診をおすすめします。

どのような検査を行うのでしょうか?

肺腺がんの検査は肺がんに準じており、がんが疑われる場合にはまず、胸部X線検査・喀痰細胞診(かくたんさいぼうしん)を行います。異常が見つかった場合には胸部CT検査を行い、病変の有無・位置など詳しい状態を確認します。
そして、確定診断を行う場合に重要なのが細胞・組織を採取する病理検査です。病理検査では、がんであるかはもちろん、どのようながんの種類であるかを調べて診断します。最も多く行われるのは気管支鏡検査・生検です。場合によって、経皮的針生検・胸腔鏡検査なども行います。
また、肺腺がんのステージ(病期)・広がりを調べるために、腹胸部造影CT検査・MRI検査・PET検査・骨シンチグラフィなども行われます。これらの検査は、肺腺がんの早期発見・進行度を確認するために大変重要です。各検査の選択・タイミングは医師によって判断されます。

治療方法を教えてください

肺腺がんの治療方法には、手術・放射線療法・薬物療法・免疫療法があります。
手術が選択されるのは、がんが限局していて手術によって取り切ることができる場合です。手術には、肺の一部を切除する肺葉切除術・縮小手術と、がんのある側の肺をすべて切除する片側肺全摘手術とがあります。放射線療法は、がんのある部分に放射線を照射することで、がん細胞を壊す治療方法です。切除できないがん・手術後の補助療法・化学療法との併用などで行われます。
薬物療法は、がんが進行して手術では取り切れない場合に行われたり、手術後の補助療法・がんの進行抑制を目的として行われたりします。免疫療法は、がん細胞を攻撃する免疫細胞の働きを高めるための治療方法です。肺腺がんの治療に効果がみられている薬は、免疫チェックポイント阻害薬です。
治療方法は、がんの種類・ステージ(病期)・患者さんの年齢・健康状態によって異なり、専門医の判断によって行われます。専門医が提案する治療方法を理解・納得した上で、最適な治療法を選択することが重要です。

肺腺がんの治療ではどのような薬を使用しますか?

肺腺がんの治療に用いられる薬は、がん細胞に対する攻撃方法の違いから、細胞障害性抗がん薬・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬の3つにわかれます。細胞障害性抗がん薬は、細胞の増殖を邪魔してがん細胞の増殖を防止する薬です。
しかし、がん以外の正常な細胞の増殖にまで影響を及ぼします。分子標的薬は、がん細胞の増殖に関わるタンパク質などを標的として使用し、がん細胞の増殖を効果的に抑えて攻撃する治療薬です。がん以外の正常に増殖している細胞への影響を抑えられる特徴もあります。
免疫チェックポイント阻害薬は、がん細胞が免疫から逃れるためのブレーキ(免疫回避)を解除して、本来の免疫の力を取り戻して保つ薬です。これら治療薬の種類・組み合わせは、患者の病状・がん細胞の種類によって異なりますので、専門医と相談しながら進めていきましょう。

編集部まとめ

医師と看護師
肺腺がんについて詳しくお伝えしました。

肺腺がんは喫煙・大気汚染などが主な原因ですが、他のタイプの肺がんと違い、喫煙者でなくても発症することも多い病気です。

初期症状に乏しいですが、早期発見・早期治療で完治も見込めるため、定期的な検診が大切となります。

ほとんどの市区町村において、自己負担額は一部のみで肺がん検診を受けられます。

定期的な検診・症状出現時のすみやかな受診で、肺腺がんを早期に発見できるように努めましょう。

この記事が、肺腺がんについて詳しく知りたかった方の参考となれば幸いです。

この記事の監修医師

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