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何を食べ続けると「乳頭がん」になる?女性に多い甲状腺がんの症状を医師が解説!

 公開日:2026/01/23
何を食べ続けると「乳頭がん」になる?女性に多い甲状腺がんの症状を医師が解説!

乳頭がんという病気をご存じでしょうか。

乳頭がんは、のどぼとけの下にある甲状腺にできる甲状腺がんの一種です。その名前から乳がんと関係があるように思えますが、実は全く関係はありません。

今回は乳頭がんのその症状に至るまで詳しくご紹介します。

「首のあたりにしこりがあるかも」・「この症状は乳頭がんなのでは」・「乳頭がんといわれたけど手術が必要なのだろうか」など、気になる点がある方はぜひ最後までご覧ください。

※この記事はメディカルドックにて『「乳頭がん」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?ステージについても解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

小島 敬史

監修医師
小島 敬史(国立病院機構 栃木医療センター)

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【経歴】
経歴
2006年3月 慶應義塾大学医学部医学科卒
2008年3月 佐野厚生総合病院 初期臨床研修修了
2008年4月 慶應義塾大学耳鼻咽喉科学教室所属
2013年9月 慶應義塾大学病院 助教として勤務
2018年8月 米国 ノースウェスタン大学耳鼻咽喉科で遺伝性難聴の基礎研究に従事
2021年5月〜 国立病院機構 栃木医療センター 耳鼻咽喉科医長 (現職)
【資格等】
日本耳鼻咽喉科学会専門医・指導医、日本耳科学会認定医、補聴器相談医、補聴器適合判定医
所属学会:日本耳鼻咽喉科学会、日本耳科学会、日本聴覚医学会、耳鼻咽喉科臨床学会

乳頭がんとは

診察をする男性医師

乳頭がんの特徴を教えてください。

乳頭がんは、のどぼとけの下の甲状腺にできるがんで、甲状腺がんの一種です。甲状腺がんには、乳頭がん・濾胞がん(ろほうがん)・低未分化がん・髄様がん・未分化がん・悪妻リンパ腫がありますが、そのほとんどを占めるのが乳頭がんになります。
年齢に関係なく、若者~高齢者と幅広く発症し、男性より女性に多いのが特徴です。乳頭がんの一部には、再発して生命に影響を及ぼす高リスクのものもありますが、多くはリンパ節転移をしてもあまり予後に影響を及ぼすものではありません。
また、遠隔転移はほとんどありません。多くの乳頭がんは緩やかに進行していく予後のよいがんです。

乳がんとはどのように違うのでしょうか?

乳頭がんには「乳頭」という言葉がついているので、乳がんの仲間であると思われがちですが、乳がんとは関係ありません。乳がんは、乳房の乳腺組織にできるがんです。
一方、乳頭がんは先ほどお伝えしたように、甲状腺がんの一種です。がん組織を顕微鏡で確認すると、その形が「乳頭」に似ているため、「乳頭がん」と名称づけられました。以上のように、乳頭がん・乳がんは全く別物ですので、間違えないようにしてください。

症状を教えてください。

乳頭がんの症状は、しこり以外ない場合がほとんどです。しこりは、前頸部(甲状腺)・側頸部(リンパ節)などに生じます。一般的に痛みはありません。
また、反回神経(声帯を動かす神経)にがんが浸潤すると、嗄声(声のかすれ)が出る場合もあります。その他には、喉の違和感・息苦しさ・飲み込みにくさ・血痰などが現れる場合がありますが、これらの症状はまれです。
症状が現れた場合・気になる症状がある場合は専門医(耳鼻咽喉科・内分泌科)を受診しましょう。

発症の原因を教えてください。

甲状腺がんが発症する原因はいくつか考えられていますが、特に可能性が高いのは若年者(特に小児)の放射線被ばくです。小児がんで放射線治療を受けた15歳以下の患者を調査したところ、放射線治療を受けていない患者と比べて甲状腺がんが増加したという報告がありました。
また、体重増加(肥満)なども、発症のリスクとして挙げられます。さらに、ヨードも原因となることがわかっています。
特に日本ではヨードを多く含む海藻類などの摂取量が多いため、甲状腺がんの多くは乳頭がんです。

どのような方がなりやすいのでしょうか?

先に述べた発症の原因から考えると、小児期にがん治療などの一環で放射線被ばくをした方は、甲状腺がんになりやすいといえます。また、体重増加が著しい方・肥満の方も発症リスクが上がるという報告があります。
喫煙している方・飲酒している方なども、していない方に比べると若干がんが増えるというデータがありますが、そこまで大きな関連はわかっていません。海藻類など、ヨードを多く含む食品を多く食べる方も発症しやすいので要注意です。

ステージについて教えてください。

乳頭がんは、「頭頚部癌診療ガイドライン(2018年版)」によると、年齢55歳を境に分類が変わってきます。55歳未満では、「遠隔転移(がんが骨や肺などの遠くの臓器に転移)していないもの」がⅠ期、「遠隔転移しているもの」がⅡ期です。
一方、55歳以上では、より細かなステージ分類となります。「がんが甲状腺内にとどまりサイズが2㎝以下(または2㎝以上4㎝以下)で領域リンパ節に転移がないもの」がⅠ期です。
「がんが甲状腺内にとどまりサイスが2㎝以下(または2㎝以上4㎝以下)で領域リンパ節に転移があるもの・がんが甲状腺内にとどまっており大きさは4㎝より大きい・前頸筋群にのみ浸潤しているもの」はⅡ期となります。
Ⅲ期は、「がんが皮下軟部組織・喉頭・気管・食道・反回神経などに浸潤しているもの」です。そして、Ⅳ期はⅣA期・ⅣB期に分かれています。
ⅣA期は「がんが甲状腺の外部組織に浸潤している、もしくはがんが頸動脈の全体を取り囲むもの」で、ⅣB期は「がんが遠隔転移しているもの」です。乳頭がんは、がんの種類・ステージなどにより治療方法も違います。したがって、ステージ(病期)の正確な診断は、治療を効果的に行うために大変重要です。

編集部まとめ

医療スタッフ
乳頭がんについて、詳しくご紹介しました。

「初めて乳頭がんを知った方」・「病名は聞いたことがあったが詳しく知らなかった方」・「乳頭がんと診断されたので詳しく知りたかった方」などさまざまだと思います。

乳頭がんは、他のがんと比べて予後もよく、治療により根治が目指せるがんです。

定期健診などはまだ確立していませんが、ご紹介した症状に当てはまるような場合には、すぐに専門医を受診しましょう。

この記事が、皆さまの乳頭がんの早期発見・早期治療につながれば幸いです。

この記事の監修医師

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