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「家族性大腸腺腫症」になると”100個以上のポリープ”ができる?症状を医師が解説!

 公開日:2026/01/15
「家族性大腸腺腫症」になると”100個以上のポリープ”ができる?症状を医師が解説!

家族性大腸腺腫症(かぞくせいだいちょうせんしゅしょう)とは、10~20代で大腸内にポリープができ始めて、年齢とともに徐々に増える病気です。

症状が進行すると100個以上のポリープになることもあり、放置しておくとがん化する恐ろしい病気です。発症は稀ですが、万が一かかった場合には早期の治療が求められます。

そこで本記事では、家族性大腸腺腫症がどのような病気なのかをご紹介します。症状・原因なども詳しく解説するので参考にしてください。

※この記事はメディカルドックにて『「家族性大腸腺腫症」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

プロフィールをもっと見る
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

家族性大腸腺腫症とは

脇腹を殴られた男性

家族性大腸腺腫症はどのような病気でしょうか?

家族性大腸腺腫症は、大腸や直腸に100個以上もの前がん性のポリープが形成される病気です。常染色体優性遺伝疾患であり、発症した場合は10代の頃からポリープが形成されます。
そして治療を行わなければ、ほぼ全ての場合40歳までにポリープが大腸がんや直腸がんとなります。さらに、この病気を発症した方は、他の部位のがん・良性腫瘍・合併症の発症リスクが高いです。がんの発症部位としては、十二指腸・膵臓・甲状腺・脳・肝臓などが挙げられます。

どのような症状がみられますか?

この病気には初期症状がほとんどありません。しかし、ポリープの数が増していき悪化すると、次のような症状が現れるようになります。

  • 腹部の圧迫感
  • 下血や血便
  • 下痢
  • 貧血

症状の1つが腹部の圧迫感です。ポリープによって圧迫されることで異物感をおぼえます。また、下血や血便も主な症状です。下血とは突然肛門から出血が伴うことです。便に血が混じって血便となることもあります。
その他には下痢貧血になることもあり、それに伴って悪寒や発熱などの体調の悪化を招く可能性が高いです。また、大腸以外の随伴病変として、下記のような様々な病気が発生するリスクがあります。

  • 胃腺腫
  • デスモイド腫瘍
  • 頭蓋骨腫
  • 脳腫瘍
  • 甲状腺癌
  • 十二指癌

胃腺腫とは、胃の粘膜に発生する平坦な腫瘍です。デスモイド腫瘍とは、筋肉や脂肪などの軟部組織にできる腫瘍です。
さらに、頭蓋骨腫脳腫瘍の発生も考えられます。頭蓋骨腫は頭蓋骨底部に腫瘍が発生し、脳腫瘍は頭蓋骨内部に腫瘍ができる点が特徴です。
その他にも随伴病変の数は非常に多いため、家族性大腸腺腫症の症状だけでなく、それぞれの炊飯病変の治療も進める必要があります。

発症する原因を教えてください。

家族性大腸腺腫症を発症する原因は、APC遺伝子の胚細胞変異です。通常のAPC遺伝子は、腸内の細胞のがん化にブレーキを欠ける物質を作る役割を持っています。しかし、この遺伝子が生まれながらに変異しているため、ブレーキがかからず細胞ががん化してしまうのです。

原因遺伝子は特定されているのでしょうか?

この病気の原因遺伝子は、APC遺伝子です。この遺伝子が変異していることで家族性大腸腺腫症を発症します。
APC遺伝子変異は常染色体優性遺伝の形で遺伝するため、親が変異した遺伝子を持っている場合には、子供にも受け継がれる可能性があります。その確率は50%であり、必ずしもAPC遺伝子の変異を持って生まれるわけではありません。
実際に過去の症例を参考にしても、親から変異したAPC遺伝子を受け継いで発症したケースは7割程といわれています。そして、残りの3割は子供に新たにAPC遺伝子の変異が起きたケースとなります。
つまり、APC遺伝子に突然変異が起きて家族性大腸腺腫症を引き起こす場合もあるのです。

編集部まとめ

診察する男性医師
家族性大腸腺腫症は、10代から大腸内に大量のポリープができてしまい、その後がん化する可能性のある病気です。

40代になると、ほぼ100%がん化するといわれているため、決して放置してはいけません。家族の病歴で、万が一この病気がある場合にはすぐに検査と治療を受けましょう。

家族性大腸腺腫症は、医師との連携を取りながらの検査や治療が非常に重要です。十分に病気のリスクや注意点を把握して、医師と相談しながら治療を進めましょう。

この記事の監修医師

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