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「脂質異常症」を予防するために食事で注意すべきことはご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/02/23

脂質異常症とは、脂質の中でも特に悪玉コレステロールや中性脂肪が多い状態を指します。

コレステロールや中性脂肪は、本来であれば身体の健康に欠かせない重要な物質です。

しかし、多すぎると動脈硬化を引き起こすなどの悪影響を及ぼす可能性があり、脂質異常症は決して軽視できない病気です。

今回は、脂質異常症の予防法・注意点について詳しく解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「脂質異常症」の原因・食事の注意点はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

プロフィールをもっと見る
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

脂質異常症の予防と注意点

食事

脂質異常症は治りますか?

脂質異常症は治る病気です。しかし、長期戦になること継続的に生活習慣を改善し続ける必要があることは念頭に置いておいてください。脂質異常症は生活習慣と密接な関係があります。
例えば薬物療法で基準値に下がって治ったとしても、生活習慣が改善されていなければまた基準値から外れてしまうでしょう。一度基準値まで下がったからといって、気を抜かずに健康的な生活習慣を続けることが求められます。

予防方法を教えてください。

予防方法としては、生活習慣を改善することが最も効果的です。脂質異常症は、食事から摂取される脂質の量が多かったり、身体の中で上手に脂質を処理できなくなったりすることで発症します。
普段の食生活からバランスの良い食事を心がけ、メタボリックシンドロームにならないよう注意しましょう。アルコールや喫煙は控え、普段から運動する癖をつけておくことも大切です。

食事で注意することを教えてください。

食事では栄養バランスを考え、コレステロールを控えた食事を摂取する必要があります。例えば以下のような食品は控えた方が良いでしょう。

  • 豚肉
  • 牛肉
  • バター
  • チーズ
  • 卵黄
  • チョコレート
  • マヨネーズ
  • 魚卵
  • レバー
  • 揚げ物

逆に、以下のような食品は積極的に摂取するよう心がけてみてください。

  • 青魚
  • 野菜
  • 海藻
  • 大豆
  • 豆腐
  • 果物

洋食よりも和食中心の食事がおすすめです。ただ和食中心の食事は塩分量が多くなりやすいので、その点は注意してください。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

脂質異常症は自覚症状もなく、知らぬ間に様々な病気を引き起こす恐ろしい病気です。治療は長期戦になるケースが多いですが、生活習慣を改善することはご自身のためにもなります。
一度緩んでしまった習慣を引き締めるのは大変ですが、医師と一緒に目標値を目指して頑張りましょう。
きつい制限をかけてしまうと追い込まれて精神的にストレスを感じてしまうため、適度に楽しく行うことが大切です。周囲のサポートも借りながら、生活習慣を改善させましょう。

編集部まとめ

走る人
脂質異常症は生活習慣と深い関わりのある病気のため、長期的な自己管理が求められます。改善していくためには我慢を強いられることが多いかもしれません。

しかし、放置していれば動脈硬化・狭心症・心筋梗塞・脳出血・脳梗塞のリスクを高めることがわかっています。今後の健康のためにも、放置してはおけません。

自覚症状がないのでなかなか実感が湧きにくいですが、重篤な病気を発症する可能性があることを忘れず、早期発見・早期治療を心がけるようにしましょう。

この記事の監修医師

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