「甲状腺機能亢進症」を発症した際に控えた方がいい「食べ物」はご存知ですか?

甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンの過剰分泌によって自律神経が乱れ、様々な症状を引き起こすものです。
子供から高齢者まで様々な方が発症しますが、男性に比べて女性の患者が多いといわれます。
若い女性が甲状腺機能亢進症になってしまうと、妊娠・出産といった体の変化と薬・手術といった治療を両立させていかなくてはいけません。
また、甲状腺機能亢進症の症状は非常に気づきにくいため、相談できずに辛い症状に悩んでいる方が多くいます。
今回はそのような甲状腺機能亢進症の注意点を解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「甲状腺機能亢進症」の初期症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
目次 -INDEX-
甲状腺機能亢進症の注意点
甲状腺機能亢進症は治る病気でしょうか?
また、甲状腺機能亢進症の中には妊娠中や新生児期に一時的になるものもあるので、その場合は心配しすぎる必要はありません。
しかし、一般的なバセドウ病や甲状腺炎による甲状腺機能亢進症の場合は、病気と長く付き合っていく必要があります。
そのため、薬や治療なしでも日常生活を取り戻すことを寛解といいますが、甲状腺機能亢進症は完治ではなく寛解を目指す病気になります。
甲状腺機能亢進症で控えた方がいい食べ物はありますか?
- 甲状腺ホルモンの主成分であるヨウ素を含むもの(昆布・海藻・寒天など)
- 代謝を刺激するもの(辛いもの・唐辛子など)
- アルコール
- カフェインを多く含むもの
甲状腺ホルモンの主成分であるヨウ素・代謝や自律神経を過剰に刺激するものは、なるべく控えましょう。
これらを控えることで、甲状腺機能亢進症の症状が抑えられる場合があります。
日常生活で注意することを教えてください。
- ビタミンAの摂取(春菊・かぼちゃ・人参・小松菜・うなぎなど)
- ビタミンB群の摂取(玄米・大豆・そばなど)
- 亜鉛の摂取(アーモンド・納豆など)
- 水分をよく摂る
ビタミンA・B群は甲状腺ホルモンの過剰分泌によって不足になりがちな栄養素です。
そして亜鉛は甲状腺の働きを調節する役割を持っています。
また、甲状腺機能亢進症の方は汗をよくかき水分不足になりやすいので、積極的に水分を摂取しましょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
また、こういった症状があっても、どの病院に行ったらいいのかの判断もつきません。そのため、症状が悪化しても医療機関になかなか相談できず、苦しんでいる方が大勢いるのです。
自分が甲状腺機能亢進症かもしれないと感じたら、以下の医療機関に相談しましょう。
- 内分泌科
- 甲状腺疾患の専門病院
- 近所の内科
いきなり専門の病院や内分泌科に行くのが難しい場合は、近所の内科へ受診し、専門の病院への紹介状を書いてもらいましょう。
また、女性患者の多くが妊娠・授乳など体の変化と治療の両立が必要になる場合があります。その上、甲状腺機能亢進症は完治も難しい病気になるので、症状と上手に付き合っていく必要があります。
しかし、なるべく早めに適切な治療を受けることによって、寛解を目指せたり、症状の悪化を防げたりします。
今回紹介した症状で気になることがあれば早めに内分泌科・甲状腺疾患の専門病院・難しければ近所の内科に相談しましょう。
編集部まとめ
ここまで、甲状腺機能亢進症の原因・バセドウ病との違い・症状・検査・治療方法・食べてはいけないものを紹介しました。
甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンの過剰分泌によって自律神経が乱れ、様々な症状を引き起こすものです。
また、バセドウ病は甲状腺機能亢進症の中の1つで、自己免疫によるものだとわかりました。
エコーや血液検査での判定・患者の状況などを考慮し、薬剤・手術・アイソトープ治療の中から適切な治療を行います。
甲状腺機能亢進症は女性の患者が多いですが、子供から高齢者まで、どなたでもなる病気です。
気になる症状があれば、お近くの医療機関にご相談ください。