「血管性浮腫」の完治は難しい?検査法と治療法を医師が解説!

血管性浮腫とは血管が局所的に隆起することで、皮膚・気道・消化管が腫れてしまう病気のことです。
症状の程度や発生の頻度は個人差が大きく、場合によっては強い腹痛を引き起こして緊急性の高い状態にもなりますが、何もしなくても跡形もなく消えることもしばしばあります。
稀な病気で、病態についてもあまり知られていません。今回は、その血管性浮腫についてQA形式でまとめました。
原因不明の腫れがあるという方は心当たりがないか探してみてください。
※この記事はメディカルドックにて『「大人の軽度知的障害の特徴」はご存知ですか?日常生活における影響も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
目次 -INDEX-
血管性浮腫の診断と治療方法

血管性浮腫の診断について教えてください。
問題があれば他の症状の確認等をしたうえで、血管性浮腫と診断されます。なお、医療機関を受診する際には腫れが引いてしまっている可能性も否定できません。そのような場合に備えて、腫れた際にその部分の写真を撮っておくと医師も判断しやすくなります。
もし血管性浮腫の疑いがあって医療機関の受診を検討しているのであれば、念の為発作が起きた際の画像を持参することがおすすめです。
血管性浮腫の治療方法を教えてください。
遺伝性の場合には発作を繰り返すことが多く、治療は症状を緩和する目的で行われます。ステロイド・抗ヒスタミン薬などを処方されることもありますが、腫れた状態を抑えるには不十分です。
別でトラネキサム酸の点滴を行ったり、重篤な場合にはCSLベーリングの医薬品が使われたりもします。発作の頻度が高い場合には、教育指導をしたうえで発作を抑える自己注射器が処方されます。
完治までにどのくらいの期間がかかりますか?
ただきちんと診断を受けたうえで迅速な対処をすれば、発作がひどくならないようにすることは可能です。原因不明の腫れに悩まされている場合には、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。
早期の治療が重要なのでしょうか。
例えば前述の自己注射薬を処方してもらっていれば、発作時すぐに医療機関を受診できなくても症状を緩和できる可能性があります。また、診断された時点で発作2回分の携帯薬も渡されるよう定められています。
もちろん呼吸困難などのひどい発作の場合には救急車を呼ぶ必要がありますが、ご自身での対処法がわかっているだけで焦燥感は全く変わってくるはずです。まずは自分の身体の状態を知り、きちんと診断を受けたうえで早期に治療を受け、知識を身につけておく必要があります。
編集部まとめ

血管性浮腫は、本来であれば血管内を透過するはずのない物質が、何らかの原因で透過してしまうことで腫れを引き起こす病気です。
ほとんどのケースにおいて原因の特定は難しく、遺伝性が高いことも判明しています。症状の程度や発作の頻度は個人差が大きいため、周囲の理解とサポートが必要です。
血液中のC1-エラスターゼインヒビターと呼ばれる機能が低下していることがわかっており、治療薬にはステロイド・抗ヒスタミン薬・トラネキサム酸などが挙げられます。
診断を受けた方には、繰り返す発作に備えて発作2回分の治療薬が処方されるよう推奨されています。
まだまだ病態が明らかになっていない病気ではありますが、仕組みや治療薬の開発は進められているため、しっかり診断を受けて発作に備えることが大切です
参考文献