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膝のうらに水が溜まる「ベーカー嚢腫」は”手術”が必要?検査と治療法を医師が解説!

 公開日:2026/01/14
膝のうらに水が溜まる「ベーカー嚢腫」は”手術”が必要?検査と治療法を医師が解説!

ベーカー嚢胞という言葉を聞いたことはありますか?膝窩嚢胞(しっかのうほう)のことで、膝の裏に水がたまる症状です。原因は関節が長期間受け続けた「摩擦」です。

膝裏がつっぱり、痛みがあるなど慢性的にも違和感を覚える場合は受診を検討しましょう。
ご自身の体を知ることが病気への気づきの第一歩となります。

若いから大丈夫とも限りません。小さなお子様でも罹患することがあり、50代以降の方に多くみられる症状ですので理解を深めておきましょう。

小池 達也

監修医師
小池 達也(医師)

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大阪市立大学医学部卒業。現在は白浜はまゆう病院整形外科所属、骨リウマチ疾患探索研究所所長、大阪市立大学大学院医学研究科高齢者運動器変性疾患制御講座を兼務。日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本整形外科学会認定スポーツ医。

ベーカー嚢腫の診断方法と治療

MRI

診断方法を教えてください。

整形外科で一般的には問診・視診・触診で診断されます。膝の痛みが何によるものかをきちんと知る必要があり、他の腫瘍との鑑別や嚢腫の位置や大きさを正確に把握するためにMRIやエコー検査などを行うこともあります。

治療方法を教えてください。

手術療法と保存療法の2種類があります。大きく腫れた症状に対し、注射針で穿刺して滑液を抜く穿刺吸引を行います。一度の穿刺で落ち着く場合と、何度も再発する場合があり炎症を抑える注射や飲み薬を用います。
変形性関節症、関節リウマチの症状がある方は先にその治療を行い、長時間作用型ステロイド薬を投与して滑液の産生を抑える治療も可能です。また、痛みなどの症状が軽度の方は膝に負担がかからない運動で症状の改善に期待できます。
有酸素運動は効果的で、20分以上週3回を目安に継続することが大切です。ただし膝の痛みや原因によってはご自身に合う運動療法がありますので、担当医によく相談の上、行うようにしてください。症状がない場合は治療を行う必要はありません。

手術は必要でしょうか?

多くの場合穿刺で治まるため手術は滅多に行いません。ただし穿刺して滑液を抜く治療を試み、その後も何度も再発を繰り返し改善がみられない場合は切開切除や関節鏡手術を行うこともあります。
症例の一つに、関節にヒアルロン酸注射と嚢腫穿刺を行っても何度も再発を繰り返していた方が術後2か月で改善され、その後症状の再発もなく嚢腫が縮小した例があります。ただし、膝の裏側には大事な血管や神経などの組織が多くあり手術後も再発するケースがあるため、外科手術の決断は慎重にする必要があります。

編集部まとめ

医師
今回はベーカー嚢胞について解説しました。ベーカー嚢腫は悪性ではないですが、誰しもが罹患する可能性があるのですね。

適切な治療を受けることで改善に向かいますので怖がる病気ではありません。

体が痛いとあらゆることに対して意欲も低下しやすくなるものです。いくつになっても自分の足で好きな場所に行けること、QOLの向上を目指したいですね。

膝が痛い方、状態によって最適な治療法がありますので、担当医師や理学療法士の方のアドバイスをもとに治療に取り組んでいきましょう。少しでもお役に立てましたら幸いです。

この記事の監修医師

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