「若年発症型両側性感音難聴」は”人工内耳”が必要?遺伝の有無も医師が解説!

難聴はさまざまなことが要因となり発症します。たとえば、外傷やウイルス感染なども要因の1つになるでしょう。
またなかには未だ原因が明らかになっていないもので、次第に両耳の聴力が低下してしまう病気があります。それが、若年発症型両側性感音難聴です。
若年発症型両側性感音難聴は、原因だけでなく治療法も未だ解明されておらず、日本では難病指定されている病気の1つです。
今回は、その難病指定されている若年発症型両側性感音難聴は治るのかについて詳しく解説をしていきます。
※この記事はメディカルドックにて『ドラマで話題となった「若年発症型両側性感音難聴」の症状・診断基準はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
若年発症型両側性感音難聴は治る?

若年発症型両側性感音難聴は治りますか?
若年発症型両側性感音難聴は、人によっては急速に進行してしまいます。そのため進行が進む前に聴力を補うなどの適切な治療を行うことで生活を向上させることは必要でしょう。
人工内耳は必要でしょうか?
人工内耳とは、音を電気信号に変換し、耳に送り込むことで聴力を補うことを可能にする装置です。人工内耳が必要かどうかは、若年発症型両側性感音難聴の症状の程度や状況にもよります。
また、人工内耳をつけるには手術が必要となります。そのため、手術費はもちろんのこと、手術後のリハビリや治療、そしてどのような手術でもともなうリスクについても考えなければなりません。
人工内耳の治療を薦められた場合は、担当医とよく相談をし判断をすると良いでしょう。
遺伝するのでしょうか?
しかし両親ともに難聴であったとしても、子どもは難聴にならないケースもあります。逆に両親が難聴でないのにも関わらず、子どもが若年発症型両側性感音難聴の症状を発症してしまうこともあるでしょう。
また若年発症型両側性感音難聴の発症を防ぐことは現在の医学ではできません。しかし親が若年発症型両側性感音難聴の場合は、子どもの遺伝子を検査することで発症の可能性があるかどうかを調べることはできます。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
また、難聴の原因はさまざまです。なかには、早期治療を行う必要があるものもあるでしょう。そのため耳に違和感を感じた場合はためらわずになるべく早く耳鼻咽喉科を受診することを心がけるようにしましょう。
編集部まとめ

難聴はさまざまなことが要因となり起こる体の不調です。たとえばストレスなどの環境要因も難聴の原因となることもあります。つまり原因は人それぞれということです。
そしてなかには、難聴の原因が若年発症型両側性感音難聴と診断される方もいるでしょう。
若年発症型両側性感音難聴は未だ分かっていない部分が多い難病ですが、早期発見することで適切な治療を受けることも可能です。
また今後医学の発展により、明らかになる部分も増えていくでしょう。
難聴や耳の違和感は少なからず日常生活に支障をきたします。時にはめまいや耳鳴りなどにより精神的につらくなりうつを発症してしまうこともあります。
そのため日常生活が今までのように送れるようにするためにも、自分の体は自分で管理し、異常を感じた場合はなるべく早めに病院に行くなどの対処をすることが大切でしょう。