「椎骨動脈解離の生存率」はご存じでしょうか?治療中の注意点も医師が解説!
公開日:2025/11/14

椎骨動脈解離について、聞いたことはあるけどどのような病気なのかよく分からないと思っている方は多いのではないでしょうか。
首周辺の動脈に傷がつき、壁の中に血液が入り込んでしまうことで起こる病気です。
場合によっては脳卒中や脳梗塞といった脳の重篤な病気を引き起こしてしまう病気でもあります。
そこで、本記事では椎骨動脈解離の治療に対する注意点について詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「椎骨動脈解離」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。
椎骨動脈解離の治療に対する注意点

椎骨動脈解離の治療に対する注意点を教えてください。
椎骨動脈解離の第一治療である手術を行う前には、身体が手術を受けられる状態かどうか検査を行います。
必要に応じて、輸血を行う場合もあります。術後は縫合した動脈が再び出血したり、脳梗塞を発症したりしてしまう可能性があるため数日から数週間の療養が必要です。
出血や脳梗塞を予防するために、薬が処方されます。適切な薬物療法により、手術の効果が最大限に活用されます。
必要に応じて、輸血を行う場合もあります。術後は縫合した動脈が再び出血したり、脳梗塞を発症したりしてしまう可能性があるため数日から数週間の療養が必要です。
出血や脳梗塞を予防するために、薬が処方されます。適切な薬物療法により、手術の効果が最大限に活用されます。
椎骨動脈解離の生存率はどれくらいでしょうか。
椎骨動脈解離の生存率は合併症の併発の有無によって異なります。早期に発見でき、動脈解離の進行が軽度の場合には頭痛や首の痛みの症状のみで回復します。
ですが、脳梗塞やくも膜下出血という合併症を併発した場合、手術ができないと死亡率は約70%です。
手術を行えた場合生存率は約80%ですが、元の生活を送れるほど状態が回復したのは約60%で、残りの20%が生活に介助が必要になったり寝たきりになったりしてしまったという研究があります。
ですが、脳梗塞やくも膜下出血という合併症を併発した場合、手術ができないと死亡率は約70%です。
手術を行えた場合生存率は約80%ですが、元の生活を送れるほど状態が回復したのは約60%で、残りの20%が生活に介助が必要になったり寝たきりになったりしてしまったという研究があります。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
椎骨動脈解離は、早期に発見することで高い生存率が見込まれますが、治療が遅れると生存率はぐっと下がります。そのため、早期発見・早期治療が重要です。
早期発見には、突然発症する頭痛・首や上肢の痛みなどの症状を早期に認識し、神経内科や脳神経外科に相談することが大切です。
医師は主に画像検査を用いて診断を行います。診断が確定したら治療方針を決定し、適切な治療を行ってくれます。
早期発見には、突然発症する頭痛・首や上肢の痛みなどの症状を早期に認識し、神経内科や脳神経外科に相談することが大切です。
医師は主に画像検査を用いて診断を行います。診断が確定したら治療方針を決定し、適切な治療を行ってくれます。
編集部まとめ

椎骨動脈解離は動脈の壁が傷つき、血液が入り込んでしまうことによって発症する病気です。
激しい頭痛や首の痛みなどの症状があらわれた際に適切な措置を行えば、通常は重大な問題には繋がりません。
しかし、入り込んだ血液によって血管が詰まってしまうと、脳梗塞やくも膜下出血などの重大な病気へと繋がってしまう場合もあります。
首へのストレスが原因で発症する場合や、スポーツをしていて首への強い衝撃が加わったことが原因となることもあり、日常生活の中にも発症リスクが潜んでいます。
もし突然頭痛や首に激しい痛みがおこり、数日間続いている場合にはすみやかに病院を受診しましょう。
参考文献