「高次脳機能障害の治療法」はご存じですか?予後についても医師が解説!
公開日:2025/11/15

脳梗塞やくも膜下出血といった脳血管所外や交通事故や転落事故などが原因で引き起こされる「高次脳機能障害」について解説します。 この障害は、何らかの原因により脳にダメージが及ぶことで様々な症状が現れます。例えば、「聞いたことをすぐ忘れてしまう」「ぼんやりしてミスが多くなってしまう」などです。 これらの症状により日常生活や社会生活に支障をきたしている場合には、すぐに専門機関へ相談することをおすすめします。 高次脳血管疾患の症状は様々ですので、詳しい内容を確認していきましょう。
※この記事はメディカルドックにて『「高次脳機能障害」の症状・原因・受診の目安はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。
目次 -INDEX-
高次脳機能障害の治療と予後
高次脳機能障害ではどんな治療をするのか知りたいです。
高次脳機能障害は、残念ながら薬物療法や手術療法で回復するような病気ではありません。しかし、リハビリテーションを行うことで脳の機能は少しずつ改善していくので安心してください。
一般的には、発症から1年程度までは比較的スムーズに改善がみられやすいです。しかし、それ以上時間が経過した場合には、あまり改善がみられなくなってしまいます。特に、発症から2年を経過すると、それ以上の症状改善は見込めなくなってしまうといわれています。
そのため、発症してから出来るだけ早い段階でリハビリテーションを開始することが重要です。
一般的には、発症から1年程度までは比較的スムーズに改善がみられやすいです。しかし、それ以上時間が経過した場合には、あまり改善がみられなくなってしまいます。特に、発症から2年を経過すると、それ以上の症状改善は見込めなくなってしまうといわれています。
そのため、発症してから出来るだけ早い段階でリハビリテーションを開始することが重要です。
高次脳機能障害は治りますか?
先にもお伝えしましたが、高次脳機能障害が完治することはありません。しかし、早期のリハビリテーション開始により改善が期待できる病気です。
病気や事故の後から「感情が抑えられなくなった」「物忘れがひどくなった」などの症状がみられる場合には、高次脳機能障害の可能性が考えられます。発症から時間が経過するほど大幅な回復が見込めなくなってしまいます。
自覚できる場合もあれば、ご家族に指摘されることもあるでしょう。何かしら違和感を抱いているようであれば専門機関へ相談しましょう。
病気や事故の後から「感情が抑えられなくなった」「物忘れがひどくなった」などの症状がみられる場合には、高次脳機能障害の可能性が考えられます。発症から時間が経過するほど大幅な回復が見込めなくなってしまいます。
自覚できる場合もあれば、ご家族に指摘されることもあるでしょう。何かしら違和感を抱いているようであれば専門機関へ相談しましょう。
高次脳機能障害の治療後に注意することがあれば教えてください。
認知障害により患者自身が自分の病気を認めることができずに苦労することがあります。こういった場合には、家族も同様にストレスを感じることもあるでしょう。
患者だけの問題として捉えるのではなく、家族も一緒にサポートを受けることが大切です。
患者だけの問題として捉えるのではなく、家族も一緒にサポートを受けることが大切です。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
高次脳機能障害とは、脳血管疾患や外傷が引き金となって引き起こされる障害のことです。障害された部位により、様々な症状が現れるのが特徴です。また、この障害は単独で現れることもありますが、いくつかの症状が組み合わさって現れることもあります。
この症状により、以前のように「仕事ができない」「家族や友人とのコミュニケーションがうまくとれない」などの症状でお悩みの人は、早めに医療機関を受診しましょう。また、本人に障害の認識がなく、家族が異変を感じている場合にも専門機関に相談することが大切です。
この症状により、以前のように「仕事ができない」「家族や友人とのコミュニケーションがうまくとれない」などの症状でお悩みの人は、早めに医療機関を受診しましょう。また、本人に障害の認識がなく、家族が異変を感じている場合にも専門機関に相談することが大切です。
編集部まとめ
脳梗塞や事故などによる脳挫傷などが原因で引き起こされる「高次脳機能障害」について詳しく解説しました。
高次脳機能障害は外見では分かりにくいため、「隠れた障害」ともいわれています。
「新しいことが覚えられない」「計画を立てられない」などの症状により、社会生活に支障が出るケースも少なくありません。
また、「怒りっぽくなる」「暴力的になる」などの問題行動が原因で、周囲とのコミュニケーションが難しくなってしまうこともあります。
しかし、早期にリハビリテーションを開始することで、ある程度は改善が見込めるといわれています。
原因となる病気や障害の何らかの症状がみられる場合には、専門機関へ相談しましょう。