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「卵巣機能不全」を疑う主な「3つの症状」はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/03/01
卵巣機能不全はどんな病気?

卵巣機能不全とは、排卵など卵巣本来の働きが行えない(機能しない)ことをいいます。

排卵ができなくなるとさまざまな症状を引き起こすだけでなく、不妊症を引き起こすなど、妊娠を望む女性にとっては非常に辛い病気です。

この記事では、卵巣機能不全を引き起こす原因や症状など詳しくご紹介していきます。

※この記事はMedical DOCにて『「卵巣機能不全」になると現れる症状や原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

卵巣機能不全はどんな病気?

お腹を手で抑える女性

卵巣機能不全とはどんな病気か教えてください。

本来卵巣は、卵子を作り出し、それを育てて排卵する機能を持っています。これらが何らかの原因で行われなくなる(機能が停止する)ことを卵巣機能不全といいます。症状はさまざまですが、閉経につながることもあり、妊娠が望めない身体になってしまうリスクのある病気です。
一般的に40代以降に発症することが多いですが、早発閉経といい老化と関係なく若い女性がかかることもあります。卵巣は妊娠を望むうえで欠かせない大切な臓器です。原因や症状について詳しく後述しますので、理解を深め早めの対策を行いましょう。

卵巣機能不全に多い原因とは何ですか?

卵巣機能不全に多い原因は下記が挙げられます。

  • ストレス
  • 加齢
  • 腫瘍など他の病気による影響
  • 卵巣のどこかに発生した障害

卵巣は脳からの指令で機能しています。そのため、脳に強いストレスがかかると上手く指令が伝達されず、卵巣本来の働きができなくなってしまうのです。また加齢による影響も考えられます。卵子の数は限りがあり、月経の有無に関わらず1ヵ月に1,000個ずつ減少・自然消滅しています。
年齢が上がるにつれて卵子の数もどんどん無くなってしまい、最終的に月経が止まるのが閉経です。卵巣の老化により、うまく卵子を育てたり排出したりできなくなることもあります。また、卵巣がんなど別の病気が卵巣本来の動きを邪魔している可能性も考えられるでしょう。
急激なダイエットなど大幅な体重の増減も、卵巣機能を停止させる原因です。このように、卵巣機能不全が起こる原因はさまざまであることがわかります。

卵巣機能不全の特徴的な症状はあるのでしょうか?

特徴的な症状として挙げられるのは、主に月経不順・無月経・不正出血です。目に見えてわかりやすい症状であることが多いため、受診の目安にもなるでしょう。大切なのは自己判断で「問題ない」と決めつけないことです。特に月経不順は「いつものこと」と軽視されがちな症状といえます。
卵巣機能不全は重症化してしまうと、治療しても本来の機能を取り戻すことができません。卵巣機能は女性ホルモンを大きく左右するため、倦怠感やイライラなど心身へ影響を及ぼす可能性もあります。

10代でも発症しますか?

10代で発症するケースはほぼ稀ですが、0ではありません。その理由として、卵巣機能と体脂肪には深い関係があることが挙げられます。過度なダイエットによって体脂肪率が減少すると、脳の伝達に異常をきたします。脳から正常な指令を受けられなくなった卵巣は、本来の機能を果たせず無月経や無排卵を引き起こすことがあるのです。
若いから大丈夫ということは決してないので、身体に負荷のかかるダイエットは避けましょう。何かしらの症状が出た際には、すぐに婦人科を受診することも大切です。

編集部まとめ

ソファに座る妊婦
卵巣機能不全は40~50代の方にみられることの多い病気です。ただし、乱れた生活習慣や喫煙・過度な飲酒・ストレスが影響するため、若い方は大丈夫という認識は誤りです。

過度なダイエットをしがちな10代の女性でも発症リスクはあるため注意しましょう。

適切な治療を行えば症状の改善・完治が望める病気ですが、放置してしまうと卵巣の機能が完全に停止して、二度と排卵を起こせなくなる可能性もあります。

ただの月経不順と自己判断せずに、何らかの症状が現れた際は早めに婦人科を受診するようにしてください。

この記事の監修医師

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