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「視神経炎」の治療で使用するステロイドの副作用は?『後遺症』も医師が解説!

 公開日:2025/12/03
「視神経炎の治療」で使用するステロイドの副作用は?後遺症も医師が解説!

視神経炎とは、名前の通り視神経に炎症が起こることで、視覚や視力の低下がみられる病気です。

これといった原因が見当たらず突発的に発症することが多いため、症状に不安をおぼえる方も少なくないでしょう。

この記事では視神経炎の治療後の後遺症についても触れていますので、ぜひ参考にしてみてください。

※この記事はメディカルドックにて『「大人の軽度知的障害の特徴」はご存知ですか?日常生活における影響も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

視神経炎の後遺症

検査機械 と医師

後遺症はありますか?

炎症の程度にもよりますが、予後は比較的良好とされています。ただし、治療に用いられるステロイドによって副作用が引き起こされることもあります。考えられる副作用は下記の通りです。

  • 白内障・緑内障・網膜の障害
  • にきびや湿疹など皮膚の炎症
  • 高血圧
  • 体重増加や高血糖など内分泌代謝の異常
  • 骨粗しょう症
  • 不眠・精神失調

ステロイドは他のお薬との併用にも注意が必要です。効果が弱かったり副作用が強く現れたりする原因にもなるため、併用薬がある場合は必ずお薬手帳を提示するようにしましょう。また、免疫機能が低下するケースもあるため感染症にかかりやすくなるともいわれています。
治療中にウイルス性の感染症にかかってしまうと最悪の場合、死につながることもあるため注意が必要です。ほとんど報告例のないケースではありますが、ステロイドによる治療を受ける際は手洗い・うがい・マスクの着用など、基本的な注意が欠かせません。

失明することはあるのでしょうか?

失明することはほとんどないといえるでしょう。視神経炎は原因不明の突発性であるケースがほとんどです。軽症のことも多く自然寛解が見込まれるなど、予後も良好といえます。炎症が再発するケースもあるため引き続き注意は必要になりますが、失明につながることはほとんどないでしょう。
ただし、別の病気が原因で視神経炎が引き起こされている場合はこの限りではありません。レーベル遺伝視神経症という難病の症状として、視力低下や視野欠損といった視神経の炎症が報告されています。この病気が原因の視神経炎だった場合、非常に稀ですが失明につながることもあります。
レーベル遺伝視神経症は、名前の通り遺伝性の病気です。女性からの遺伝であり、男性から受け継ぐことはまずありません。女性親族にこの病気の方がいる場合にはその旨を眼科医師に伝え、さまざまなケースを想定して診てもらいましょう。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

視神経炎は視力低下・視野の欠損・視界が白くモヤがかかったようになるなど、眼精疲労と症状が似ていることが多く軽視されやすい病気です。休息・睡眠を十分にとっても治らない場合は視神経炎が疑われます。
軽度であれば自然寛解ができ、治療方法も確立されており比較的予後は良好です。しかし、発見が遅れた場合は治療が長引いたり再発しやすくなったりすることもあります。日常生活に支障をきたすことになりかねないため、大切な視力を守るためにも早期発見は非常に重要です。
失明につながることはほとんどありませんが、著しい視力低下がみられる場合や親族に遺伝性の視神経炎を患っている方がいる場合は、その旨を医師に必ず伝えるようにしてください。

編集部まとめ

鏡を見ている女性
視神経炎は視神経(網膜に取り込んだ情報を脳に送り込む神経)になんらかの原因で炎症が起こる病気です。

軽度であることが多く自然治癒も望めますが、ステロイドによる治療を行った際の副作用や症状の悪化が著しい場合には注意してください。

どの病気にも共通して言えることですが、視神経炎も早期発見・早期対応が大切です。

見え方に違和感がある・色が霞む・視界が狭くなるなどの症状が現れた際は、自己判断せずに早めに眼科を受診しましょう。

この記事の監修医師

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