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「半月板損傷を放置すると何のリスク」が高くなるかご存知ですか?予防法も医師が解説!

 公開日:2025/11/20
「半月板損傷を放置すると何のリスクが高くなる」かご存知ですか?予防法も医師が解説!

膝に痛み・支障がありながら、日常生活を送っている方・スポーツをされている方は意外と多いのではないでしょうか。 今回はそのような膝の痛みを伴う病気の1つ、半月板損傷について詳しくご紹介いたします。 半月板損傷は、一度発症すると自然に治ることは難しく、放置しておくと重症化して変形性膝関節症へと進行してしまう大変な病気です。 この記事で症状・原因・治療・リハビリ・放置のリスクなどをご説明しますので、ぜひ参考にしてください。

※この記事はメディカルドックにて『「半月板損傷」の症状・原因・予防法はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

半月板損傷のリハビリと予防

リハビリをする男性

どのようなリハビリを行うのでしょうか?

半月板損傷に対するリハビリは段階的に行われます。
膝を軽度屈曲位で固定するニーブレスなどの装具を使用した固定期間は、膝への荷重が行えません。その場合は、タオルセッティング・下肢伸展挙上(SLR)・内転筋トレーニング・殿筋トレーニングなど、患部以外のトレーニングが中心です。
そして徐々に内容を増やし、ヒップアップ・スクワット・エルゴメーターなどで筋力訓練を行い筋力向上を図ります。さらにリハビリが進むと、痛みの加減に応じて負荷量を上げていきながら、筋力の回復に応じてジョギング・ランニング・ニーアップなど段階的に進めていきます。

予防方法はありますか?

半月板は衝撃・捻じれなどの動作に弱いので、膝に過度な負荷がかかったり、捻じれたりして半月板損傷を発症する場合がほとんどです。特にジャンプの着地・切り返し(急に進行方向を変える動作)・急なストップ動作が多いスポーツなどで発症することが多いです。 自分自身の体幹・筋力のバランスと身体全体の機能をしっかりと把握し、適切な姿勢でスポーツを行っているかをしっかりチェックすることが、半月板損傷の予防につながります。
また、日ごろから膝まわりの筋肉を強化して柔軟性を高めておくことが大切です。太ももの前面の筋肉(大腿四頭筋)の曲げ伸ばしを行ったり、椅子スクワット(椅子から立ち上がる・座るを繰り返す)なども膝を痛めずに行える効果的なストレッチ・筋力訓練です。

放置するリスクを教えてください。

膝を捻ったり、曲げ伸ばしをしなければ痛みが出ない場合も多いため鎮痛薬・湿布などで様子をみてしまうことも多いかもしれません。普段の生活の活動量を減らせればいいのですが、中には痛みを我慢しながらスポーツ・仕事をしなければならない方もいるでしょう。
半月板は損傷して断裂したり変形したりすると、半月板に覆われていた軟骨がむき出しにされて、徐々にすり減って膝が変形していきます。そして、時間をかけて変形性膝関節症へと進行してしまうこともあります。半月板損傷は放置しておくと重症化してしまうことを覚えておきましょう。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

膝の痛み鎮痛薬・湿布などの簡単な治療だけでつい様子をみてしまうかもしれません。しかしきちんと痛みの原因を調べ、適切な治療を行わなければ、重症化して変形性膝関節症などを引き起こします。そうなると、歩行が困難になるだけでなく、人工関節になってしまうこともあるのです。
半月板損傷は早期に原因を突き止め、治療を始めることがなにより重要です。膝の違和感・痛みは放置せずに、早めに専門医を受診しましょう。

編集部まとめ

ウォーキングをする男女

半月板損傷について詳しくご紹介しました。膝の痛みをお持ちの方は意外と多いかもしれません。 半月板損傷は損傷の状態に応じて治療法も変わりますし、治療法によって生活復帰・スポーツ復帰までの期間も変わります。 膝に違和感をお持ちであれば早めに専門医を受診して治療し、痛みのなかった時の日常を取り戻し、スポーツも楽しみましょう。

この記事の監修医師

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