「肺線維症の治療法」はご存知ですか?検査方法も解説!【医師監修】
肺線維症は、難病とされる病気です。肺が線維化することで酸素の取り込みが難しくなり、呼吸困難などの症状が現れます。
慢性経過の疾患ですが、治療に取り組むことで進行を抑制したり、急激な悪化を防止したりすることが可能です。
本記事では、この病気の特徴に触れながら、行われる治療方法などを紹介します。
病気の治療には、その病気をよく知ることが大切です。必要な知識を身につけて、病状の進行抑制や症状の軽快に役立ててください。
※この記事はMedical DOCにて『「肺線維症」を発症すると現れる症状・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
肺線維症治療とステージ
どのような検査で診断されますか?
突発性肺線維症の場合、胸部CTで肺が線維化し、蜂の巣状になっていることが確認されます。以上の検査の結果と、問診によって得られた情報を総合して診断されます。
問診では家族の発病歴・職業・喫煙歴などが聞かれるケースが多いです。
治療方法を教えてください。
ただし、これらの薬は突発性肺線維症には効果が期待できません。この病気の場合、抗線維化薬を使用して治療を行います。
この薬は病気を完治させるものではなく、進行を抑える薬です。また、進行を抑えたり悪化を防いだりするためには、日常生活にも気を配ることが大切です。
喫煙をしている場合は、禁煙に取り組みましょう。体重増加は呼吸困難を引き起こしやすくなるため、食事制限や体重管理も行います。
風邪を引くと症状が急激に悪化することもあり得るので、手洗いなどの感染症対策も積極的に行いましょう。
肺線維症のステージについて教えてください。
初期には自覚症状がなく、進行すると呼吸困難や空咳といった症状がみられることがほとんどです。さらに重篤になると、自力では酸素を十分に取り込めなくなります。
そこまで進行した患者さんには、在宅酸素療法や呼吸リハビリテーションという治療が必要です。
病気は時間をかけて進行しますが、突然症状が悪化する急性憎悪が起きる場合もあります。
また、この病気を発症すると、肺がんなどの併発が起こる可能性が高いです。特に、喫煙をしている方はリスクが高いです。
肺がんが併発した場合、がんの治療である放射線や手術などが原因で線維化が進行するケースがみられます。
編集部まとめ
肺線維症は肺胞の壁が線維化し、酸素の取り込みと二酸化炭素の排出が困難になる病気です。
初期の段階では自覚症状がほとんどなく、進行するにつれて呼吸困難などの症状が現れます。しかし、場合によっては急性増悪が生じ、病状が急激に進行することもあります。
主に行われる治療法は薬物療法です。主に症状の進行を抑える薬が処方されます。薬を服用しても、線維化した肺が元に戻ることはありません。
また、日常生活の見直しで進行を抑えることも可能です。禁煙を行い、急性増悪の原因となる風邪などを徹底的に予防しましょう。
完治の難しい病気ですが、適切な治療を施せば症状が軽快する可能性もあります。担当医や家族のサポートを受けながら、治療に取り組んでいってください。
参考文献