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目やにが多くなる「先天性鼻涙管閉塞」の合併症はご存じですか?治療法も医師が解説!

 公開日:2026/01/21
目やにが多くなる「先天性鼻涙管閉塞」の合併症はご存じですか?治療法も医師が解説!

泣いたりあくびをしたりすると涙が出るでしょう。涙とは泣いたりあくびをしたりするときだけに出るのではなく、普段から少しずつ流れているものです。

涙は涙腺から流れて眼球を潤すという役目を果たし、目頭にある涙点と呼ばれる穴に吸い込まれていきます。

先天性鼻涙管閉塞とは涙点に吸い込まれるはずの涙が、鼻涙管という細い管が先天的に閉じた状態になり目に溜まってしまうという症状です。

お子さんがいつも涙目になっている場合、先天性鼻涙管閉塞の可能性があるかもしれません。この記事によって先天性鼻涙管閉塞に対する解決法を参考にしてみてください。

※この記事はメディカルドックにて『「先天性鼻涙管閉塞」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

先天性鼻涙管閉塞の治療と手術

手

どのような検査で診断されますか?

天性鼻涙管閉塞では涙があふれる・目やにが多いといった症状が出ているので、まずは目視によって確認することから検査していきます。目やにが多い場合には結膜炎や涙嚢炎などの病気の併発をしていないかも検査します。
鼻の付け根あたりを押してみて涙が逆流してあふれてくるかを確認し、これによって確認できない場合や別の病気の鑑別が必要な場合は涙道通水試験を行うこともあります。
これは涙点から生理食塩水を注入するという検査です。この試験によって鼻涙管が塞がっているかを確認します。また場合によっては涙道内視鏡という器具を使用して検査を行うこともあります。

治療方法を教えてください。

治療で行う第1の方法としては、専用のマッサージを行うことです。このマッサージによって鼻涙管を開通させ、涙が鼻腔に流れていくようにします。大抵の場合はマッサージを行うことによって開通できますが、マッサージによる治療で開通しない場合もあります。
こうした場合には鼻涙管開放術という方法を行うことになるでしょう。鼻涙管開放術ではブジーと呼ばれる針金を使用して、鼻涙管内で涙の通り道を塞いでいる膜を突き破るという治療になります。
1歳未満の赤ちゃんに行われる場合を早期ブジーと呼び、早期に行うべきという意見や1歳まではやるべきではない意見もあり、医師によって判断が分かれるという課題があります。

手術することもあるのでしょうか?

先に述べた治療法の専用のマッサージや鼻涙管開放術によっても症状が改善されないケースもあります。そういう場合に手術を行うという選択があるでしょう。なお鼻涙管開放術をおこなっても改善しないことはごく稀なケースとなります。
鼻涙管開放術をもう1度行うこともありますが、手術を行う場合は涙管チューブを挿入するもの、涙道内視鏡を用いたプロービングなどの選択肢があるでしょう。なお手術の場合は1歳未満であれば局所麻酔を、1歳以上であれば全身麻酔をすることが一般的です。

合併症について教えてください。

先天性鼻涙管閉塞の合併症は、マッサージを行いながらの経過観察で確認されたのが急性涙嚢炎眼瞼炎です。これはマッサージと直接関係あるものではなく、先天性鼻涙管閉塞の症状によるものだと推測されます。
またプロービングの手術において局所的なものとして、涙点から逆流して出血するという合併症が報告された例もあります。さらに稀な例としてですが、待機期間中に蜂窩織炎を発症したという報告がありました。
いずれにしても先天性鼻涙管閉塞という病気は自然治癒する確率が高いものであることから、治療に対しても合併症の発生を低く抑えることが求められています。

編集部まとめ

涙を流している子供
常に涙目になっている我が子の様子を見ると、どうしたのかと不安になってしまうお母さんもいらっしゃることでしょう。そういった原因の1つが先天性鼻涙管閉塞です。

この病気は目に関するものなので、マッサージをするときや目やにを取ってあげる際などは手を清潔にしておくことが重要です。自然治癒でよくなる可能性は高いとはいえ、清潔にすることを心がけましょう。

なお目やにを取るときには柔らかなティッシュなどをぬるま湯で濡らし、目やにを柔らかくしてから優しく拭き取ってあげてください。

この記事の監修医師

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