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「鼻中隔湾曲症を放置する」とどのような症状が現れる?治療についても医師が解説!

 公開日:2025/11/27
「鼻中隔湾曲症を放置する」とどのような症状が現れる?治療についても医師が解説!

左右の鼻を中央で隔てている鼻中隔という部分が湾曲し、鼻づまり・鼻血・いびきなどの症状を引き起こす「鼻中隔湾曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)」についてお話しします。
鼻中隔の湾曲は多くの成人でみられますが、鼻中隔の湾曲により不快な症状が引き起こされている状態を鼻中隔湾曲症と呼びます。
症状が軽い場合にはお薬で症状をコントロールすることも可能です。しかし、湾曲の度合いや症状によっては手術を選択したほうがよいこともあります。
また、鼻中隔湾曲症はアレルギー性鼻炎を悪化させたり慢性副鼻腔炎を引き起こしたりする原因にもなるため注意が必要です。
この記事では、鼻中隔湾曲症の注意点について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

※この記事はメディカルドックにて『「鼻中隔湾曲症」の症状・原因・手術費用はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

鼻中隔湾曲症の注意点

眠る男性

手術をすれば完治するのでしょうか?

鼻中隔の湾曲が原因で鼻づまりや鼻血などの症状が現れている場合には、手術をすれば根本的な改善が見込めます。しかし、アレルギー性鼻炎については体質的な問題も関係しています。手術をしたからといって、全くアレルギー症状が起こらないというわけではないことは理解しておきましょう。また、いびきに関しても同様です。他にいびきを引き起こす原因がある場合には、鼻中隔湾曲症の手術だけでは改善しないこともあります。どちらにしても、まずは専門機関で詳しい検査を受けることが必要です。症状や鼻中隔の湾曲度合いにより、最適な治療を検討していきます。また、気になる症状などがあれば、かかりつけの医師へ相談するようにしましょう。

鼻中隔湾曲症の治療をすればいびきも改善されますか?

いびきの原因が鼻中隔の湾曲による場合には、手術によっていびきの改善も期待できます。しかし、いびきを引き起こす原因は鼻中隔の湾曲だけとは限りません。その他にも、咽頭扁桃腺の腫れ・肥満・睡眠時無呼吸症候群などが関係していることもあります。いびきの改善を考えるのであれば、これらの病気との鑑別も重要です。もしも鼻中隔湾曲症以外の原因が考えられる場合には、そちらの治療も並行して行うことになるでしょう。

鼻中隔湾曲症を放置するリスクを教えてください。

鼻中隔湾曲症による鼻づまりの状態を放置することは、口呼吸の原因となります。慢性的に口呼吸が続くと、頭痛・頭重・集中力の低下・注意力の低下・いびきなどの症状が現れて日常生活に支障をきたす可能性も考えられます。また、お薬のみで対症療法を続けている場合、長期服用により症状が悪化してしまうこともあるため注意が必要です。まずは専門医へ受診し、詳しい病状を確認することが大切です。状況に応じて、手術の検討をしましょう。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

鼻中隔湾曲症は自然に治ることはありません。そのため、根本的に症状を改善するためには手術も必要な病気です。この病気でよくみられる症状のひとつに「鼻づまり」がありますが、鼻づまりを放置すると頭痛・頭重・集中力の低下などに繋がります。その結果、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。つらい症状を長引かせないためにも、早めに専門機関で検査を受けることが大切です。また、いびきに関しては鼻中隔湾曲症以外の原因が隠れていることもあります。特に、肥満などが原因で睡眠時無呼吸症候群を引き起こしていることもあるので鑑別が必要です。睡眠の質が低下すれば注意力が散漫になり、事故や労働災害に繋がることもあるため注意しましょう。

編集部まとめ

笑顔の女性医師 左右の鼻腔を隔てる鼻中隔が湾曲し、様々な症状が現れる「鼻中隔湾曲症」について解説しました。
鼻中隔湾曲症は鼻づまりや鼻血を引き起こし、アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎を悪化させることもある病気です。
放置しても治ることはなく、口呼吸による頭痛頭重などの不快な症状が続く原因にもなります。
思い当たるような症状があれば、まずは専門機関で検査を受けることが大切です。

この記事の監修医師

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