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「肥厚性鼻炎」の症状・原因はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/04/04
肥厚性鼻炎の症状と原因

鼻は五感のうちの「嗅覚」を担うほか、呼吸の役割も果たしている重要な器官です。

ウイルスやアレルギー物質などを含んだ外界からの空気が通るため、鼻はトラブルが起こるリスクが高い器官だといえるでしょう。

くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの症状はほとんどの方がこれまでに経験しているのではないでしょうか。

今回は鼻のさまざまな病気の中から、肥厚性鼻炎(ひこうせいびえん)について詳しく解説いたします。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

※この記事はMedical DOCにて『「肥厚性鼻炎」を疑う鼻の症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

肥厚性鼻炎の症状と原因

鼻炎で辛い女性

肥厚性鼻炎とはどのような病気でしょうか?

肥厚性鼻炎は鼻の内部が何らかの原因で慢性的に炎症を起こし、粘膜が硬く厚くなることで慢性的に鼻がつまる病気です。鼻の内部(鼻腔)には、上鼻甲介・中鼻甲介・下鼻甲介という3つのひだがあり、肥厚性鼻炎では下鼻甲介が腫れることで鼻づまりが起こります。
通常の鼻炎による鼻づまりは薬物療法で快方に向かうことがほとんどです。しかし、肥厚性鼻炎では薬物療法による効果が得られにくかったり、場合によっては鼻腔の手術を検討したりすることもあります。手術で対処しても症状を繰り返すなど治りにくいケースがあることも特徴です。

症状を教えてください。

肥厚性鼻炎の主な症状は慢性的な鼻づまりです。前述したとおり肥厚性鼻炎は鼻腔内で慢性的に炎症が起きている状態ですが、鼻がつまる症状のみで鼻水など他の症状があらわれないことが特徴です。
処方された薬を使い鼻水などの症状は改善されたものの、鼻づまりの症状だけがなかなか改善されないという場合には肥厚性鼻炎の疑いがあるといえるでしょう。また鼻づまりは人によって感じ方が大きく変わり、気になる方にとっては非常に厄介な症状です。慢性的な鼻づまりが大きなストレスの原因となり、生活の質が大きく落ちてしまうケースもあるのです。
また、鼻腔が狭くなることでいびきの原因となる場合もあり、睡眠時無呼吸症候群との関連性も考えられています。

発症する原因を教えてください。

肥厚性鼻炎は慢性的な鼻炎が原因で発症する病気ですが、その慢性的な鼻炎を発症する原因はさまざまです。慢性的な鼻炎の主な原因としては、ウイルス感染による急性鼻炎・急性鼻炎の延長である単純性鼻炎アレルギー性鼻炎副鼻腔炎扁桃肥大(アデノイド)の影響などが挙げられます。
これらの病気は誰にでも発症する可能性があるため、肥厚性鼻炎も私たちにとって比較的身近な病気であるといえるでしょう。また、点鼻薬を常用することで発症する薬剤性鼻炎も肥厚性鼻炎を引き起こす原因の1つだといわれています。

点鼻薬の副作用の可能性もあるのですね…。

前述したとおり、点鼻薬を常用することでかえって鼻づまりを悪化させてしまう薬剤性鼻炎を発症する可能性があります。しかし、薬剤性鼻炎の発症は血管収縮剤が使われた点鼻薬を常用した場合に限られ、ステロイドの点鼻薬であればその心配はほぼありません。
ステロイドと聞くと怖いものだとイメージされる方もいらっしゃるかと思いますが、ステロイド点鼻薬では副作用の心配がほとんどないといわれています。もしステロイドや点鼻薬の使用に少しでも不安を感じるようであれば、診察の際に医師から詳しく説明を受けると良いでしょう。
薬は患者様自身がきちんと納得したうえで使用することが何より大切です。

編集部まとめ

鼻を押さえる女性
今回は肥厚性鼻炎について詳しく解説いたしました。鼻づまりは人によっては生活の質を大きく落とす要因にもなるため、肥厚性鼻炎の発症は避けたいものですね。

また、鼻がつまることで耳・のど・肺などの病気にかかりやすくなるだけでなく、いびきの原因になり睡眠の質が落ちたり学業や仕事の効率も落ちたりする場合があるそうです。

ただの鼻づまりだからそのうち治るだろうと油断せず、気になる症状がある場合は早めにかかりつけの耳鼻科などを受診するようにしましょう。

この記事の監修医師

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