「肝臓病」に初期症状はあるの?検査・治療法も解説!【医師監修】

肝臓は人間の体の中で一番大きな臓器であり、また一番大きな働きを担う臓器でもあります。
その上肝臓は沈黙の臓器といわれるほど、我慢強い臓器です。自覚症状がないままに病気が進行してしまった、ということも多いです。
そこで今回は肝臓病にはどのような種類の病気があるのか、またその症状や原因について解説します。
早期受診が必要な初期症状・治療方法・食事療法などについても紹介しています。ぜひ早期治療の参考にしてください。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
※この記事はMedical DOCにて『「肝臓病」を発症する原因・予防法はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
肝臓病の検査と治療
受診するべき初期症状を教えてください。
特にアルコールをよく飲む・糖尿病がある・肥満傾向・中性脂肪が多いなどの場合には定期的に健康診断を行い、早期の発見を目指す必要があるでしょう。
どのような検査をするのでしょうか?
- AST
- ALT
- γ(ガンマ)-GTP
3項目の内1つでも数値の異常が認められれば2次検査が必要となります。2次検査を必要とする人は数値が基準値よりも高い人です。
また家族に肝疾患の人がいる・尿の色が濃くなった・お酒が好き・体重が毎年増え続けている、という人も2次検査を受けておくと安心です。
治療方法を教えてください。
- 抗ウイルス薬
- 肝庇護療法
- 瀉血療法
抗ウイルス薬は肝炎ウイルスを撃退するために利用します。抗ウイルス薬が効かない場合には、病気の進行を遅らせるために肝細胞を壊さないための薬を処方します。これが肝庇護療法です。また体内の鉄分の量を減らす瀉血療法も、肝細胞が壊されるのを阻止するためには有効な治療方法です。
肝がんに進行してしまった場合には、転移の有無やがんの個数により治療が選択されます。切除手術・穿刺(せんし)局所療法・肝動脈塞栓(そくせん)療法・薬物療法・放射線治療・緩和ケアなどが治療方法です。
手術することもあるのでしょうか?
手術とは区別されますが、穿刺(せんし)局所療法(ラジオ波焼灼療法)や肝動脈塞栓(そくせん)療法が、状況に応じて行われる外科的療法といえるでしょう。
編集部まとめ
肝臓病には、ウイルス感染によることの多い肝炎・肝硬変・肝がんなどがあります。
初期には自覚症状がほとんど無いため見つけにくい病気ですが、できるだけ早く治療を開始することで完治が期待できる病気です。
臓器の中でも大切な役割を担う肝臓は、さまざまな働きで私達の体を支えています。
少しでも気になることがあれば、まず血液検査で肝機能に異常がないか確かめるなど、早期の病院受診をおすすめします。