「稽留流産」に兆候はあるの?原因についても解説!【医師監修】
公開日:2025/04/02

妊娠が分かると、嬉しい気持ちと同時に、さまざまな不安が生じてきます。
その中の1つである流産は、残念ながら誰にでも起こりうるものです。その中でも稽留流産は流産の自覚症状がなく、妊婦健診で初めて流産していることを知るので、妊婦さんのショックは計り知れないものとなります。
今回は稽留流産の兆候・通常の流産との違い・原因についても詳しくご紹介します。

監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。
※この記事はMedical DOCにて『「稽留流産」とは?原因やなりやすい人など医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
目次 -INDEX-
稽留流産とは?
稽留流産とはどのような状況ですか?
稽留流産とは、出血や腹痛などの自覚症状はないものの、超音波検査で胎児の心拍が確認できなくなり、自然に胎児の成長が止まってしまった状況のことをいいます。
流産とは、妊娠22週未満に妊娠が継続できずに終了してしまうことです。流産が起こる時期によって、妊娠12週未満の「早期流産」、それ以降の「後期流産」とに分けられます。
稽留流産は、その多くが妊娠12週未満の早期に起こるものです。日本産婦人科学会によると、妊娠全体の約15%に流産が起こり、その80%以上が早期流産であることが分かっています。
流産とは、妊娠22週未満に妊娠が継続できずに終了してしまうことです。流産が起こる時期によって、妊娠12週未満の「早期流産」、それ以降の「後期流産」とに分けられます。
稽留流産は、その多くが妊娠12週未満の早期に起こるものです。日本産婦人科学会によると、妊娠全体の約15%に流産が起こり、その80%以上が早期流産であることが分かっています。
稽留流産の兆候として現れる症状を教えて下さい。
稽留流産は、他の流産と違い出血や腹痛などの自覚症状がないので、自分で流産の兆候を見つけることは難しく、妊婦健診の超音波検査で初めて分かります。
例えば、妊娠したことに気づかないまま稽留流産となっている場合もあります。この場合は、胎児がお腹の中で亡くなっても気づかないので、受診もせず発見が遅れてしまうのです。
数日〜数週間経って、出血が始まり、発熱・腹痛などの症状が出て感染症を引き起こしてしまうため注意が必要となります。
例えば、妊娠したことに気づかないまま稽留流産となっている場合もあります。この場合は、胎児がお腹の中で亡くなっても気づかないので、受診もせず発見が遅れてしまうのです。
数日〜数週間経って、出血が始まり、発熱・腹痛などの症状が出て感染症を引き起こしてしまうため注意が必要となります。
通常の流産とはどう違うのでしょうか?
流産は、その症状によって稽留流産・進行流産の2つに分けられます。
先ほどお話ししたように、稽留流産は自覚症状がなく、胎児の心拍・成長が止まって子宮内容物(胎児をつくる組織・付属物)がそのままお腹の中に留まってしまっている状態です。それに対して進行流産とは、出血・腹痛などの自覚症状がみられ、子宮内容物が外に出てきてしまっている状態のことをいいます。
進行流産は、さらにその進行具合から完全流産・不全流産に分けられます。完全流産とは、子宮内容物がすべて自然に外に出てしまった状態です。この場合、出血・腹痛などの症状は治まっている場合が多いです。
不全流産とは、子宮内容物が外に出始めてはいますが、まだ子宮内に一部が残っている状態のことをいいます。この場合、出血・腹痛が続いている場合が多いです。
先ほどお話ししたように、稽留流産は自覚症状がなく、胎児の心拍・成長が止まって子宮内容物(胎児をつくる組織・付属物)がそのままお腹の中に留まってしまっている状態です。それに対して進行流産とは、出血・腹痛などの自覚症状がみられ、子宮内容物が外に出てきてしまっている状態のことをいいます。
進行流産は、さらにその進行具合から完全流産・不全流産に分けられます。完全流産とは、子宮内容物がすべて自然に外に出てしまった状態です。この場合、出血・腹痛などの症状は治まっている場合が多いです。
不全流産とは、子宮内容物が外に出始めてはいますが、まだ子宮内に一部が残っている状態のことをいいます。この場合、出血・腹痛が続いている場合が多いです。
稽留流産になってしまう原因を知りたいです。
流産には、胎児側に原因がある場合と、母体側に原因がある場合が主な原因です。稽留流産を含む早期流産の原因の約70〜80%は、受精卵の染色体異常が原因です。
受精卵とは胎児側の原因で、受精した段階で流産がそうでないかが決まっています。初期の流産では、ストレス・喫煙・飲酒・薬の服用・運動・仕事などが原因ではないかと思ってしまうかもしれません。
しかし、それらが直接の原因で稽留流産を起こしてしまうわけではないことを知っておいて下さい。
受精卵とは胎児側の原因で、受精した段階で流産がそうでないかが決まっています。初期の流産では、ストレス・喫煙・飲酒・薬の服用・運動・仕事などが原因ではないかと思ってしまうかもしれません。
しかし、それらが直接の原因で稽留流産を起こしてしまうわけではないことを知っておいて下さい。
編集部まとめ
稽留流産について、兆候・原因・治療などについて詳しくご紹介いたしました。
妊娠初期に起こってしまう稽留流産は、未然に防ぐことが難しいものであることがお分かりいただけたと思います。
流産は、女性にとって人生の中で大変なショックとなる出来事の1つといえますが、起きてしまった後は、母体の安全を一番に考えることが大切です。
その人に合ったより良い治療を選び、安定した経過を辿って、ゆっくりと気持ちを切り替えながら次の妊娠に備えていきましょう。